「ある人との人間関係でリリースをしていたのに、別の面でトラブルになった。この状況を変えたい気持ちなどをリリースして、ただ物事が起こるに任せればよいのか、それともその人に対する具体的な目標も設定し、前に進むほうが進む方がよいのか」という問い合わせをいただきました。
簡単な結論は、いつも「直感」にまかせるというものでしょう。ただ、制限に捕らわれている真っ最中では直感も働きづらいものです。このサイトでも紹介している、いくらかのテクニックを応用できます。
いつも6ステップで
リリースに迷ったら、まず最初に立ち返るべきはいつでもレスター博士の6ステップです。今回の状況のような場合では、まず「欲求よりも不動(心)を求める」、「停滞したら、それをコントロールしたい気持ちを手放す」の2ステップが重要になります。
完全に心が惑わされることが無くなり、平穏で静かで完全な状態が良いのか、それとも欲求に突き動かされながら生活するのが良いのか、本当に自分に問いなおしてみましょう。往々にして私達は、「全てがパーフェクト」であることを退屈と感じ、「自らトラブル」を求める傾向があります。「こんなことが起きるのではないか」という恐れの思考、恐れていながら期待している気持ちがはびこっていないかチェックが必要です。
そして、状況をコントロールしたい気持ちを改めて開放しましょう。
幸福へのチケットを試す
ラリー・クレーン氏の幸福へのチケットを試すことも可能です。この手順はトラブルの状況を解決する手法です。
- 解決したい気持ちを開放できますか?
- なにかしたい気持ちを開放できますか?
- 答えを知りたい気持ちを開放できますか?
- 今どんなことであれ、知りたい気持ちを開放できますか?
- 考えたい気持ちを開放できますか?
- 自分自身を責める気持ちを開放できますか?
- 自分自身を(特別な理由を持たずに)肯定できますか?
ラリーさんは「空っぽのキャビネット(心)に答えを尋ねたら、得られるだろうか?もちろん、無理だ。」という喩え話をよくします。コントロールできるのであれば、すでに行っているはずです。コントロールできていないことをコントロールしたいと願うことは欲求で、欠乏感を呼び起こします。ですから、まず「解決したい気持ち」を開放しましょう。
続いて、その状況に対して「何かを行いたい」気持ちを手放します。コントロールできていない状況に対し闇雲に行動しようとする傾向を私達は持っています。
次は「答えを知りたい気持ち」を開放します。その問題を解決できる答えを知りたい欲求です。これも欠乏感であり、それにより正しい答えが直感としてもたらされることの邪魔をします。
4番目の「今どんなことであれ知りたい気持ち」というのは、より広く知識やアイデアを一般的に求める気持ちです。今、何かを知りたい気持ちがあれば、全部手放します。
「考えたい気持ち」を手放すのは、「答えを考えだす」努力をしないように、または「答えを無理に導き」出さないようにするためです。私達に一般的に備わっている習慣を手放します。
「自分自身を責める」気持ちとは、「自分には無理だ」、「自分には価値がない」という自己卑下の気持ちです。自分に制限を課している気持ちを開放しましょう。
最後に自分自身を肯定しましょう。具体的に「これがあるから俺は偉い」とか「これができるから私はすごい」という、具体的な例を取り上げて誇るのではありません。そんなことをしたら「プライド」を強化するだけです。シンプルに「自分は(何でも)できる」とか「自分には価値がある」と自分を自分自身で認めてあげることです。
クリーンアップの手順
人間関係におけるトラブルには、セドナ本にも載っている「一掃手順」(cleanup procedure、クリーンアップ・プロシジャー)を試してください。元々は、リリースを教える講師のためにレスター博士が開発した手順です。気に入らない生徒やトラブルメーカーに対して、そうした生徒のためではなく、講師たち自身のために行うように指示されていました。
リリースは自分が持っているこだわりや制限を開放するものです。クリーンアップの手順は特定の人との関係を通して、自分のこだわりや制限を引き出してくれます。
好き嫌い、有利不利の手順
好き嫌い、有利不利の手順をその人に対して応用するのも、深いリリースをもたらせてくれることを忘れないようにしましょう。
同じ手順で、正しい間違っているのペアで開放するのも深い制限を見つけるためには役立ちます。
プライドのチェック
「その人より有利なことは?」、「その人より立場が上なのはどんなこと?」、「その人よりよく知っていることは?」、「その人より優れているのはどんな点?」などなど、プライドを引き出す質問を行い、その人に対するプライドを手放しましょう。
劣等感・罪悪感
今までの質問で、なかなか答えが導き出しづらい時は、たいてい罪悪感が邪魔をしています。罪悪感を持つと人間は正当化してしまい、自分の正しさに固執します。正しさは自分の属するグループで「安全・安心・生存」を守ってくれるものです。欲求の大元に近い欠乏感です。そのため、引き出しづらいものです。
こうした点を意識し、自分に本当に正直に、「自分のどこが間違っていたのか」、「どんな行動が規律や約束を破ったのか」を認められるかが重要です。一度行った正当化が邪魔をして正直に認めづらいでしょう。正当化が先に出て、なかなか自分の間違いが思い出しづらいかも知れません。でも、本当に正直に認めない限りは、開放できないのです。
言い訳ではなく、「本当に自分の悪かったのはどの点なのか」をはっきりと認めましょう。特に自分の正しさにこだわる、開放の進んでいない状況では難しいでしょう。たとえ他の人が聞いているのではなく、自分自身で認めるのも困難でしょう。
それでも、明確に認めない限り、他の制限と同様に罪悪感は消えません。罪悪感を全て取り去ると、開放がとても早く進みます。
劣等感も罪悪感と同様な働きをします。これも正当化され見つけづらくはなっていますが、罪悪感ほど安全・安心・生存の欲求に絡んでおらず、どちらかといえば承認の欲求ですので、より見つけやすいでしょう。
最後に
結論は先に書いた通りです。自分の直感に従い、「起きるに任せるか」、「目標を立てるか」を決めましょう。
ただし、「目標を立てる」方法は「目標を立てることにより、出てくる制限を取り去る」のが一番の目的です。「目標を立てる」方法には「どんな行動が必要か」をリストし、そうした必要な行動にまつわる欲求を開放する部分も含まれています。さらに、行動を実際に行う時にも湧き上がってくる感覚を開放します。行動を取るにせよ、行わないにせよ、全てリリースの対象を引き出すものです。
起きるに任せるには、高い感情のレベルを維持する必要がありますし、「強い意図」、レスター博士の言う持続する意図が必要です。それを我々が維持するには、湧き上がってくる抵抗・ネガティブ・制限を開放し続けるため、持続的なリリースが必要になるでしょう。
いずれにせよ、全てがリリースの対象です。どちらをとってもリリースし続ける道です。どちらを取らなくても、リリースし続ける限り、同じところへ行き着くのではないでしょうか。