基本的なリリースの方法


浦理:礼星さん、なによんでるんすっか。

礼星先輩:おお、これか。「人生を変える、一番シンプルな方法」だ。

平留:先輩、人生を変えるって…結婚したばかりなのに、もう離婚したいんですか?

礼星先輩:ああ、いざ結婚してみると思い通りに…って、いやいや、そうじゃなくて。

浦理:礼星さん、一人乗り突っ込み、素敵です。

平留:それしにしても、その本ぼろぼろですね。

礼星先輩:何度も読み返しているからな。そのたびごとに発見があるんだよ。

浦理:何の本なんですか?

礼星先輩:これは手放しの本だよ。

平留:手放し…で喜ぶ本?

礼星先輩:いやいや、手放しだけ。心のネガティブな部分を解放する方法。

浦理:なんだか、難しそうですね。

礼星先輩:ところが、本のタイトル通り簡単。基本を覚えるのは数分ね。

平留:何の役に立つんですか?

礼星先輩:多分、これを使う人の目的は様々だろうね。ある人は、特定の切ない感情を手放したいと思って使うだろうし。またある人は、自己向上とか、有能であるとか、そんなことを目指しているだろうしね。俺の場合は、目標達成だけどね。知っての通り、結構有能だから。

浦理:せっ先輩…

平留:良くある自己啓発?

礼星先輩:いいや。そんなに無いと思うよ、こういうやつ。不思議系のセミナーだとか、似たような物はあると思うけどね。お手軽なんだよ。これは。セドナメソッド…そうそう、この方法は元々セドナメソッドというんだけどね。アメリカで60年代から始まったらしい。

平留:60年代ですか。俺、生まれてないですよ。

礼星先輩:俺もだよ。 こういう、心のネガティブな部分を解放する手法をリリースって言うんだけど、リリースは自己啓発とかポジティブシンキングとか、セミナー系とか、ヨガ系の手法より、簡単、お金かからない、相手がいらないとか、いつでもお気軽につかえるものが多いんだ。その中でも、お手軽な方法だよ。

平留:ヨガですか。そういえば少女時代のユリもはまっているみたいですね。ヨガ。

礼星先輩:少女時代…。今、流行っているね。多分、ユリがはまっているのはポージングのヨガだね。健康とか美容のためにやるやつだろう。色々な格好するやつね。ヨガには、そういうのもあるけど、哲学的なものもあるんで、どちらかと言えば、哲学的な方ね。

浦理:難しそうですけど、本当に簡単なんですか?

礼星先輩:簡単だよ。

平留:先輩、だまされているんじゃ?壺とか売りつけられませんでした?

礼星先輩:そんな、新興宗教じゃないよ。

浦理:でも、カルトっぽいですよ。

礼星先輩:じゃ、検索してみなよ。アメリカで生まれたからね。英語でね。

浦理:c..u..l..tと。ああ、やっぱりカルトじゃないですか!

礼星先輩:(にや)そんじゃ、続いて仏教をそのサイトで検索してみてみ。

浦理:あれ、仏教もカルトになっている。

礼星先輩:(にや)ついでにキリスト教も調べてみ。

浦理:あれれ、キリスト教もカルトですか?

礼星先輩:(にや)その手のサイトを提供している団体はね、特定の宗教を援護しているか、もしくは科学的で無いもの全部を否定する輩なんだよ。そういった当てにならない情報を元にして、アメリカではカルトだって言われていると騒ぐ人は、いつでもいるんだよ。日本語でいいから、カルトを調べてみな。

浦理:ええと…ウィキペデアでいいですか。あれ、詳しく定義づけられていますね。

礼星先輩:そこを読むと分かるけど、定義も時代で変わっているんだ。けど、普通の人はこんな説明を読まないよ。何か得体が知らないものをカルトって言って排除しようとするんだね。けど、セドナメソッドはカルトじゃないと思うよ。まあ、考えを押しつけはしないけど。実際、書かれていることをそのまま信じるなって本に書いてあるしね。試して納得してから、自分に取り入れろと。

平留:先輩がそう言うなら、怪しくなさそうと言うのは分かりました…

礼星先輩:俺が言うから怪しくないんでなくて…自分で試してみたら。本当に簡単だから。

平留:じゃ、教えてください。

礼星先輩:じゃ、この本貸そうか?

平留:いやいや、今は読みたい気分でないです。なにせ、節電のため昼休みは冷房切ってますからね。暑くて、暑くて。

礼星先輩:うちに持って帰って、ゆっくり読んでいいよ。

平留:いやいや、家も今、節電中なので、暑くて、暑くて。

礼星先輩:(「いやいや」は、「嫌々」か…。「暑くて暑くて」は「厚くて厚くて」かな?。読みたくないのね)じゃ、教えるよ。まず、リラックスしよう。

浦理:どうやって?

礼星先輩:リラックスの仕方までは決まってないよ。w 好きにすればいい。胸のボタン緩めるとか、肩回すとか、軽くストレッチするとか。

平留:ボタン緩めるっと。ありゃ、ボタン取れた。おい、浦理。第2ボタンほしいとか言うなよ。まだ、おまえにはキスを許すような関係で無いぞ。

浦理:…言わんよ。…あり得ない。

礼星先輩:…じゃ、いいかな?続けるよ。何かテーマを決めよう。最初だからね。簡単なやつ。

浦理:どんなテーマがいいんですか?

礼星先輩:今悩んでいる問題…とかは最初に扱うには重すぎるよ。多分。俺もそれで最初に失敗した。どうしても手放せなくて、もっと悩んだ。だから、練習だと思って、軽いテーマがいいよ。

浦理:軽い…うーん、決めるのが難しい。

礼星先輩:正にそういうやつ。「決めるのが難しい」とかいう考えがいいね。その考えがどうなっても、どうってこと無いだろう。例えば、本には「この本をどう思うか?」というテーマでやってみればどうかと勧めているよ。

平留:この本をどう思うかですか?…難しそう。

礼星先輩:二人とも「難しそう」か。 それでもいいけどね。セドナメソッドは考えや判断だけでなく、感情や感覚も解放できるよ。どちらかと言えば、感情を手放す目的でやる人が多いかな。感情というと心の問題だけ扱うような感じだけど、実際は感情と一緒に出てくる感覚、例えば胸の苦しさとか、体の中で爆発するような感覚だとかも解放できるんだ。この本では「感情」と訳されているけど、感覚のほうが意味が広いから、この本読むときは「感覚」と置き換えた方がいいね。じゃ、そのテーマで良い?

平留:はい。

浦理:オッケーです。

礼星先輩:それじゃ、その考えに心を向けてみて。軽く集中してみよう。目は開けていても、閉じても、どちらでも良いよ。まあ、最初はつぶっていた方が集中しやすいと思うけど、どちらでオッケイね。

平留:わかりました。

礼星先輩:では、浮かび上がってくるものを、ただ受け入れよう。映像とか音とか、考えとか、胸のつかえる感じとか。そのままね。そのまま向かい入れる。こんな事思っちゃいけないとか、出てくるものをコントロールしようとしないでね。浮かび上がってきたものは、そのまま。そのまま。そのまま、感じていて。

平留:はい。

礼星先輩:では、その考えを放っておけるかな?

浦理:ほうっておく?

礼星先輩:そう、放っておける?可能性を尋ねているんだ。考え、感情、感覚というものは自分で握りしめているからいつまでも続くんだよ。だから、放っておけば、自然と離れて消えていくんだ。

浦理:ええと、「決めるのが難しい」を放っておくか。すると、どうやって放っておくかだな。

礼星先輩:おっと。考えてはだめ、はい、いいえ。どちらでも良いから直感で答えるんだ。頭の中であーだ、こーだと考えない。理論でYes、Noを決めるんでなく、心に決めさせる。直感で良いんだよ。

浦理:直感ですか。では、いいえ。

平留:はい。

礼星先輩:では、その考えを放っておきたい?希望を聞いてるんだよ。放っておけば、自然と手放せるけど、放っておいて、気分を軽くしたいか?それとも、その考えを抱えたまま、難しいという制限を抱え続けたいか?

浦理:気分を軽くしたいです。ですから、はい。

平留:私もはい。

礼星先輩:では、いつから放っておく?今、放り出せば、今から気分がその分軽くなる。明日なら、明日までその制限を持っていなくてはならない。だから、今すぐ放り出しませんかというお誘いの質問だ。いつ放り出す?

浦理:じゃ、今から。

平留:私も。

礼星先輩:今やった、「放り出せる?」、「出したい」、「いつ」を手放せるまで繰り返すんだ。あと、何回か試して見よう。直感で答えることを忘れないでね。頭で考えない。では、放り出せる?

浦理:はい。

平留:はい。

礼星先輩:放り出したい?

浦理:はい。

平留:はい。

礼星先輩:いつから、放り出したい?

浦理:今から。

平留:今。

礼星先輩:放り出せる?

浦理:はい。

平留:はい。

礼星先輩:放り出したい?

浦理:はい。

平留:はい。

礼星先輩:いつから?

浦理:今。

平留:今。

礼星先輩:もう一回繰り返してみよう。放り出せる?

浦理:はい。

礼星先輩:放り出したい?

浦理:はい。

平留:はい。

礼星先輩:いつ?いつから?

浦理:今。

平留:今。

礼星先輩:どんな感じかな?

浦理:正直チョット…

平留:何というか…リラックスしているのは分かるのですが…

礼星先輩:そうだろうね。 w 初めはそんなもんだよ。

浦理:何が変わったのかよく分かりません。

礼星先輩:最初は手順を覚えるために割り切って、今みたいにどうでも良いことでやってみる。最初から何か大きな変化を期待しても無理。こういった手法は何度も繰り返して使っていくうちに上手くなっていくものよ。段々とね。

浦理:じゃ、練習が必要なんですね。

礼星先輩:いいや、使いながら練習すると良いよ。いつまでも、どうでも良いことでやっていても効果は実感できない。けど、上手くないうちに重い問題を扱ったり、人生に関わるきつい感情を扱って成功するのは難しいだろうね。できないとは言い切れないけどね。難しいだろうね。

平留:じゃ、チョットしたことからチャレンジしたら良いんですね。小さな事からこつこつと。

礼星先輩:その通り。コツさえ掴めれば、すぐに普通の感情も扱えるよ。この本の中では、まず一日、気がついたチョットしたことに使ってみることを勧めている。実践しながら、身につけることだね。それと最初は効果の実感ができない。それで、別の人のテクニックも一緒に使ってみると良いよ。

浦理:別の人?

礼星先輩:そう、この本を書いた人以外にも、このテクニックを教えている人がいる。両方の人とも同じ人から習ったんだ。レスターさんと言うんだけど、まあ開発者の人だね。同じ流れの内容だけど、二人の教え方にはチョット違いがあってね。まあ、我々としては、いいとこ取りができれば良いでしょ。

平留:いいとこ取りは、大好きです。

礼星先輩:ほんとにチョットしたことなんだけどね。今やった手放し方法を使う前と、後でどの程度変化があるのかを、最初はつかみづらいんだ。そこで、始める前の状態を1が最低、10が最高、今何段階にあるか覚えておく、それで今やった手順を何度か繰り返した後、もう一度チェックして、今何段階にいるか評価するんだ。すると、自分に起きた変化がつかみやすくなるよ。

平留:へえー。面白そうですね。

礼星先輩:そうだよ。リリーステクニックはネガティブな感覚を手放す手法の中でも、うんうん唸って行うようなきつい方法でなくて、さらっとやれる軽い手法なんだからね。決して、思いっきりシリアスになって全身全霊を傾けてチャレンジするようなものではないんだ。すっとやって、さっと手放し、ぱっと心を軽くする。

平留:すっとやって、さっときて、ぱっですね。分かり易いです。

浦理:いや、分かりづらいと思うが…

礼星先輩:まあ、もう一度やってみよう。今度は、段階のチェックを入れてね。何かチョット心に引っかかっていることはあるかな?

平留:浦理がまじめすぎる。

浦理:平留がふざけすぎる。

礼星先輩:おいおい。 けんかするなよ。まあ、殴り合いになっても、俺はどうにかしたい気持ちを解放して、ただ笑って見ているだけだけどね。

平留:チョット先輩…

礼星先輩:はははは。じゃ、やるぞ。では、テーマは相手に対する不満で、言い表している?

平留:はい。

浦理:分かります。

礼星先輩:では、1が最悪・最低の気分で、思いっきり不満を持っている。10は最高の気分で、幸せで、相手を完全に受け入れている。今何段階か、自分の心をチェックして。

平留:5くらい。

浦理:4か5です。

礼星先輩:オッケイ。じゃ、その不満感に注目してみよう。浮かび上がってくるものは、何でも受け入れてね。映像とか、話し声とか、考えとか、感情、体の感覚。全部、そのまま感じて。コントロールしようとせず、そのまま。浮かび上がってくるまま歓迎して。

平留:うーーーん。はい。

浦理:…はい。

礼星先輩:放っておけば、離れていき、無くなるんだったね。では、放っておけるかな?

平留:はい。

浦理:…はい。

礼星先輩:考えないでね。ハイでも、イイエでも良いんだよ。自分に正直に。直感で答えてね。では、次の質問。放っておきたいかな?

平留:はい。

浦理:はい。…いや、いいえ。

礼星先輩:いつから放っておく?長く持っていればいるほど、その期間はずっと苦しまなくてはならない。だったら、今手放しませんかというお誘いの質問だよ。いつ放り出す?

平留:今。

浦理:じゃ、今。

礼星先輩:繰り返していくよ。放っておける?

平留:はい。

浦理:いいえ。

礼星先輩:放っておきたい?

平留:はい。

浦理:はい。

礼星先輩:いつ?いつから?

平留:今。

浦理:今。

礼星先輩:放っておける?

平留:はい。

浦理:はい。

礼星先輩:放っておきたい?

平留:はい。

浦理:はい。

礼星先輩:いつ?いつから?

平留:今。

浦理:今。

礼星先輩:もう一回繰り返そう。放っておける?

平留:はい。

浦理:はい。

礼星先輩:放っておきたい?

平留:はい。

浦理:はい。

礼星先輩:いつ?いつから?

平留:今。

浦理:今。

礼星先輩:さて、チェックしてみよう。1が最低、強く不満を持っている。10が最高の気分で、相手を受け入れている。今何段階?

平留:うーん。…7…かな?

浦理:5か6です。

礼星先輩:どんな感じ?少しは心が軽くなった感じがする?

平留:はい。さっきと違って、少しですが、分かります。

浦理:私もチョットだけ。なにか心が軽くなったのは分かります。

礼星先輩:ぶっちゃけ、チョットしたことを扱っている間は、チョットだけの変化が多いよ。それでも、効果がありそうだろ。やり方覚えただろうから、今日一日…まあ、24時間と考えて、明日の午前中くらいまで、チョットしたことを感じたら、この調子でやってみるとコツが掴めると思う。そんな面倒なものでもないしね。

平留:はい。

浦理:礼星さん。その本、借りられませんか?

礼星先輩:ああ、良いよ。何度も読んでるから、チョットぼろぼろだけどな。

平留:私も。

礼星先輩:暑いから読む気しなかったんじゃないの?  残念ながら、一冊しかないよ。日本語版は。英語版ならあるから、貸そうか?

平留:…いえいえ、遠慮しておきます。

礼星先輩:じゃ、浦理が読み終わったら、続けて借りると良いよ。

浦理:礼星さん、英語版も持っているんですか?

礼星先輩:ああ、日本語版は全訳でないんだ。それと、最初読んだとき分かりづらくてね。ネットで検索したら、他にも似たような感想の人が結構いてね。日本語版は良くまとまっているけど、訳が分かりづらいとこがあるから。英語版も参考にすると良いんだよ。

浦理:そうですか…今回は、日本語版だけにしておきます。

礼星先輩:もうすぐ一時だ。今日はこれまでだね。もうチョット、先の続きやりたかったけど、あんまりやって、二人が仲良く鳴りすぎるのも、気持ち悪いしな。

平留:ジュテーム。浦理~。

浦理:おい。それ以上、近づくなよ…

礼星先輩:何か聞きたいことあったら、いつでも聞いて。分かる範囲で答えるから。チョットしたことを手放して、チョットだけ幸せになる。実践してみると、自分だけでも理解が進むと思う。まあ、やってみてよ。

平留:はい、試して見ます。

浦理:ありがとうございました。