リリースが進み、普段の感情がだんだんと上向いていく途中に壁となるのがプライドです。リリーステクニックでプライドに的を絞り、開放する手順を紹介します。

プライドは他の感情を長引かせる糊の役割をすることは、セドナメソッドの書籍にも書かれていたと思います。「こんな経験をした」というのをプラスの状況であれ、マイナスの状況であれ、誇るようになってしまうと、その出来事で生じた感情を手放さなくなるからです。

リリーステクニックでは、プライドをそれ以上の感情に到達するための高い壁のように考えています。レスター博士の感情の説明でプライドは、「変化も変更も望まない」状態と説明され、その上の勇気の「恐れや苛立つことなく、開始する。すべきことを。正すために。必要なら全てを変化させる。」と真逆です。本質が、「変化させたくない」という感情であるがゆえに、開放が難しく、ラリーさんはこの感情のために、特別な手順を用意しています。

決意によるリリース法、つまり「したい?できる?いつ?」の質問によるリリースは、それに「はい」と答えることにより、勇気の感情レベルに立てるため、開放が起きるのです。

なお、この手順はリリーステクニックの基本コースであるアバンダンスコースでも、後半に行われるものです。初心者向きではありません。ある程度、リリースを行ってきた人向きです。もちろん、内容を全て記述はできませんので、概要のみを紹介します。

手順

まず、プライドがどんなものか、セドナ本で確認しておきましょう。日本語のプライドは良い意味合いが強いですが、感情のチャート上で使われるプライドは英単語のpride本来の意味です。英語のプライドは良い意味合いも悪い意味合いも含め、何かを「誇る、自慢する」状態です。

セドナ本のプライドの説明を読みましょう。思い浮かぶ感情や感覚などを3欲求とみなして開放します。チューブテクニックなどの体感覚をしようした開放法も必要に応じ併用します。

この手順のラリーさんによる説明を読んでください。「私達はプライドを抱いたまま、守ろうとするがため、この感情は私達を停滞させます。」 「時々プライドは、やったことがあるがもう一度できるかわからないという、はっきりしない感覚なこともあります。そのために、次に何かを達成する代わりに、かつてやったことを試みたり、承認したりすることを私達は続けてしまいます。また、プライドは他の人よりはましであるという、かすかな感覚であることもあります。」 「多くの人々において、プライドとは盲点です。私達は時々プライドの中に停滞しますが、それに気が付きません。以降の実践により、自分のプライドに気づき、手放すことができます。」

自分自身に尋ねます。「自分は何を誇っているのか?何をプライドに持っているのか?何を自慢しているのか?」見つかったものを3欲求として開放します。できるだけ深く探りましょう。手順を繰り返します。

ラリーさんは良いものが浮かび上がってきた時に、それを誇るのは良いが、プライドのレベルに留まる必要はない、それ以上のレベルに引き上げろとアドバイスしています。私なりに例を挙げると、たとえばプロの料理人は調理師免許を持っていることを誇りません。毎日当たり前のように料理しているからです。通常、調理師免許を持っているのを自慢するのは、かつて料理人であった人やアマチュアです。誇るだけで、「やっていない」、隠れている本当の思いは「できない」です。

「何、誰に対して判断を下しているのか?」を尋ねます。3欲求として開放します。体感覚も併用します。自分自身に対して判断を下しているのであっても、開放しましょう。「他の人に対して何を判断しているのか?」という別の質問も使われています。「プライドを持っているので、他の人に判断を下しているのか?プライドを持っていることを誇っているのか?判断を下すことを誇っているのか?」浮かび上がったものを開放します。先に進む前に、判断についてクリアにしましょう。

次に罪悪感を取り上げます。罪悪感は、判断の一つの形態です。「罪悪感を感じていることについて考えてください。」出てきたものを3つの欲求として、もしくは体感覚を使うリリース法で開放します。

同様に、以降の質問が取り扱う領域について、3欲求がなくなるまで開放し続けます。

「誰、何から別れようとしていますか?離れようとしていますか?」 開放してください。

「誰、何を拒絶していますか?拒否していますか?」 開放してください。

「誰、何に対して抵抗していますか?」 開放してください。

「誰、何に対してジェラシーを持っていますか?」 開放してください。

「誰より自分は、より良いと思っていますか?ましだと思っていますか?」 「その人を自分と同等にできますか?」 出てきたものを開放し、その人が自分と同等と思えるようにします。

「誰が自分より、より良いと思っていますか?ましだと思っていますか?」 「自分をその人と同等にできますか?」 出てきたものを開放し、自分がその人と同等と思えるようにします。

「私のペルソナ、性格は何でしょうか?」 開放します。

更に、愛着と憎悪の手順を「プライド」、「抵抗」、「罪悪感」に対して実行します。アバンダンスコースの約四分の一を費やして、プライドを開放しています。それほど、コースの目的である豊かさ(アバンダンス)に対する、大きな障害として扱われています。