やる気がでない。一歩が踏み出せない。そんな活力不足のときは、「過去の失敗」の経験を見つけ出し、解放してみましょう。ドリンク剤よりも効き目があります。
ここ数回の記事は、基本的なリリースの一部分を取り上げ解説してきました。そろそろオリジナルなテクニックも紹介したくなってきました。
もし皆さんがたった今、やる気がでなかったり、やろうとしていることに取り掛かれなかったり、やる気はあるのにスタートが切れなかったりする場合は、「過去の失敗」を解放してみましょう。
単純に、失敗した経験を思い出し、その出来事にまつわる感情、感覚、思考などを手放します。
失敗とは何でしょう。「何かをやろう、達成しよう」と意図を持ちますが、その後の出来事によりうまく行かなくなることです。うまく行かない原因は自分であることも、他の人のせいであることも、自然災害や景気などの環境のせいであることもあるでしょう。それら全部をひっくるめて解放します。
つまり、「思い通りには行かなかった」ことです。これは、コントロールの失敗です。コントロールしようとしてできなかった出来事です。
失敗や恥や罪悪感など負の感情や感覚を私達は嫌います。ですから、抑制してしまいます。抑制してしまうため、思い出しにくくなっています。集中し、狙って引きずり出さないと、無意識の中から浮かび上がってきません。
一度意図を持ち、それをくじかれると怒りや悲しみの感情に加え、重さやだるさ、圧迫感などを感じるのです。そうしたものも、「顔に出さない、表に出さない」という社会的な習慣により、抑圧します。抑圧していくうちに慣れてしまい、同じレベルの失敗では何も感じないように思いますが、実は負の感情と感覚は積み重なります。ある時、その溜まったものが表に出てきます。活力が低下し、やる気が失われ、疲れを感じ、心を奮い立たせても物事を開始できなくなります。
失敗の経験の積み重ねにより、段々と意図を持つこと無く、ロボットのようにルーチンワークをこなすだけになってきます。意図を持ち、それをくじかれるのを怖がるようになります。意図は物事を進めるときのエンジンのようなものです。それが働きが悪くなり、エンストを起こします。結果ある日、やる気が失われたり、やろうと思ってもスタートできなくなります。
ですから、失敗というテーマを処理すると、活力が復活します。意図を持って行動できるように戻れます。そして、嬉しいことに、このテーマの解放は即効性があります。本来の自分が持つ活力に戻すには、「失敗」のテーマで引き出せるものをたくさん処理するほうが良いのですが、見つかる初めの数個を開放するだけでも、一時的にやる気は復活します。ですから、やる気が出ないときに対応する急場のテクニックとしても利用できます。
失敗の範囲は広く考えてください。自分が何かの意図を持ったが、それがくじかれた出来事です。たとえば、「小学校が楽しくて、ずっといたかったけれど、卒業しなくてはならなかった」、「楽しいクラスだったのに、クラス替えされた」などは、皆さんも経験あるでしょう。もっと小さかったことであれば、「楽しいことだけが起きると思っていたのに、痛かったり、苦しかったり、面白くなかったことを強要されたり、思った通りにはいかなかった」出来事があったはずです。
何かを意図し、それが思い通りに行かなかった出来事です。幅広く捉え、開放しましょう。