「他の人から認められたい、愛されたい」は、承認欲求です。レスター・レビンソン博士が教えていた3ないし4つの欲求の一つです。

基本的に、欲求を満たすことを博士は勧めていませんでした。欲求することによる欠乏感を手放すことを教えていました。

博士の教え子である、リリーステクニックのラリー・クレーン氏は、問題を解決しようとし、かえって悪い状態へ落ち込んでいく習慣を投げ捨てる「幸福へのチケット」というリリース方法の中で、まず自己否定を投げ捨てさせ、次に「(理由なしに)自分自身を認められますか?」という指示を繰り返させています。実際は質問でなく、認めるように指示しています。

コースの音声などの説明には、「本当に認められたいのは誰だ?自分だろ?自分自身を本当に承認できるのであれば、他の人から認められようとする必要はない。ならば、ほんの少しでいい。理由をつけず、自分自身を認めてみよう。ほんの少しだけで良い。理由はなしだ。」と誘導しています。

「理由はなし」というのがミソです。何かの理由を付けて認めれば、それはプライドになってしまう可能性があります。たとえば、自分は運動神経が良いから認められるとしたら、運動神経が良いに固着したプライドです。

初めて行うと、戸惑うかも知れませんが、実際は「良いもので、悪いものでも、開放しようとするものをそのまま受け入れる」と同じ態度です。ネガティブなものを開放しようとする場合、まずその存在をそのまま認めます。そのときに条件付けはしません。ありのまま受け入れます。それと同様に、条件を付けずに、自分自身を認めます。

レスター博士も、愛とは完全に受け入れることだと言っています。すなわち、自分自身を認めるとは、自分自身をそのまま受け入れる、自分自身をそのまま愛することです。

自分自身を承認できるようになるにつれ、他の人からの承認や愛を段々と欲しなくなります。つまり、承認欲求が減ります。