ゴールを実現するために、セドナメソッドやリリーステクニックで使用している用紙があります。上部に実現したい「ゴール」を記述し、その下に2つないし3つの欄を作ります。

両方共に一番左が一番大きい欄で、「今現在、ゴールについて何を感じているか」です。たった今の思考、思い、考えを書き出します。

セドナメソッド版では、その右の欄に「大本の欲求」を書きます。承認、コントロール、安全、分離です。ヘイルさんのセドナメソッドでは分離欲求も付け加えられています。

リリーステクニックでは、2つ目の小さい欄が「解放済み?」です。3つ目が「気分はよいか?」です。

実際、どちらのフォーマットでも行い方は似ています。ゴールに対する現在の気持ちや感覚、湧き出る思考などを書きとめ、それがどの欲求から来るのか、もしくはどの欲求とみなせるのかを見つけ出し、手放します。

そのゴールに対し、感情の段階で最低でも勇気のレベル、「実現できる」という気持ちが持てるまで毎日、繰り返します。より高い段階の受容や平和に達し、「自然と流れで実現しちゃう」、「達成した」感覚を持っても当然よいわけです。勇気のレベルでは行動により実現可能という感覚ですが、より高くなるにつれて自分の努力や行動がなくても実現できる、実現している感覚が強くなります。

たまにネットで見かけるのですが、「何を開放したらよいのかわからない」という疑問を見かけます。セドナメソッドの書籍やレクチャー音源、リリーステクニックの資料などで勉強すれば、段々と理解できるようになりますが、手っ取り早く言えば「なんでも」です。そのゴールに関して湧き上がる感情、感覚、意見、実現する過程や実現後のストーリー、視覚的なイメージなどなど、何もかもです。

レスター博士は、頭の中の思考が止まり静かな段階、つまり平和に達した時そのものが、本来の自分自身でこの状態で実現力が働くと説明していました。

具体的にどんなものを開放していくのか見当がつかない初心者のため、少し例を上げて説明しましょう。

ゴールの設定

ゴールの立て方、言い回しに関しては、ネット上にも情報があります。セドナメソッド本にも書いてあります。当サイトでも紹介しています。英語ですがセドナメソッドやリリーステクニックの基本コースでも説明されています。

基本はポジティブで制限がなく、かつ具体的な目標が勧められています。英文では現在型として表現します。英文では特に"I allow myself to ..."という表現が勧められています。無限の実現力を持つ、本来の無制限な自分に対して「これを行っても良いよ、実現して良いんだよ」と伝えるのです。感情のレベルで言うところの「受容」の感覚です。

適切な日本語が難しいのですが、いくらか言葉を補ってみます。次のゴールを採用したとしましょう。

「力と権利(能力)がある、だから1億円以上所有していても良いんだよ」

ここでは一例として一億円を上げていますが、金額は自分のリアリティに合わせ、調整します。

これは自分自身に伝える言い回しです。自分自身が無限の力を持っていることを思い出すために、「力と権利」もしくは「力と能力」、「無限の存在である」という言葉を先頭にくわえ、本来の私達は無制限であると毎回新たに認識しましょう。「以上」という言葉で、具体的な金額による制限をなくします。日本語の「持つ」より「所有する」という言葉のほうがまさに「所有権」がある、つまり自由に使えるというニュアンスが強くなります。「していても」で現在の状態を強調します。"allow myself"を訳出するために「しても良いんだよ」と表現しています。

どこまで開放するか

感情・感覚のスケール上では、ポジティブな感覚は「勇気」以上です。「勇気」、「受容」、「平和」の感覚に至るまで続けます。

レスター博士は、意志・意図の重要性を強調しました。十分な意志・意図を持てば、「できる」という感覚が維持できます。可能であるという感覚を持てれば、勇気以上の感覚に自然と達することができます。

そして博士は、「起きるに任せる」ことも教えています。考えに十分集中、つまり注意を持続できるのであれば、その考えは自然と実現化されるので、それをどう起こそうと考えあぐねたり、必死に実現に向け行動するのではなく、自然と起きる、実現に向け良い出来事が続けて起きていくことに任せる態度を取りなさいとアドバイスしています。これは受容以上のレベルに達することです。

今回「意図・意志」と列記していますが、特に意味はありません。別の言葉として列記しているのではなく、「本来の自分自身の思い」を表す適当な言葉が思いつかないため、2つを列記しています。

欲求と意図・意志の違いには注意を払ってください。「したい」という気持ちは欲求です。「する」、「なる」という確固たる思い、信念は意図・意志です。今回の例の場合、「一億円以上、自分のものにしたいなあ。」という考えは欲求です。「一億円以上、所有しているんだ。」という考えが迷いや疑いなしに存在しているのであれば、それは意図・意志です。

行動に対する指針

セドナメソッドでは、「ゴールを実現するためにやるべきこと」をリストアップし、それらのもとになる欲求を開放する手法も取り入れています。リリーステクニックにもリスト自体は基本コースに含まれていますが、行うように強調されていません。それは、セドナメソッドがより現在的な自己啓発的な手法やヨガ的思想を取り入れ、行動の重要性を取り入れているからでしょう。リリーステクニックはお尻(バット)を椅子につけたまま実現する「バット・システム」をメインにしており、具体的な実現方法がないのに行動しようとするのは、コントロール欲求であるという点を強調しているからです。

こうした違いをわかっていれば、やるべきことの開放を取り入れるかどうかを判断するのは簡単です。具体的な実現方法が既にわかっており、それを行動に移すことに問題を抱えているなら、行動のリストを取り入れましょう。行動についてリリースすれば、どれを本当に行うべきか、見極められます。抵抗や欲求がなくなれば、行動はスムーズに進みます。

逆に、実現のためにどうすればいいのか具体的な方法がわからないのであれば、行動のリストは取り入れずに、行動したい思いはコントロール欲求として開放しましょう。

開放する

この節では、「(カッコ内)」でゴールに関して思い浮かんだ思いや感情、感覚を表します。続いて、簡単に解説していきます。もちろん、ここに書き示したものが全てではありません。あくまでも、開放する対象を具体的に理解してもらうためのヒントです。

お金は幅広い「取得の自由」を与えてくれます。いろいろと「行うこと、行わないこと」の選択の自由を増やしてくれるため、お金をゴールにするといろいろな領域を開放できます。では、ゴールに対する具体的な考えや思いの例を見ていきましょう。

「あれをしなくちゃ、これも行う必要がある…」:リリーステクニックで強調されていますが、具体的な方法がわかっていれば、既に実現できているはずです。私達が方法を考えつくのであれば、それを行えばよいわけです。実現できる具体的な方法がわからないため、やたらめったら「何かしよう」と考え、焦ってしまいます。「何かをやっている」ことに夢中になり、実現できないことから逃げてしまうのです。

できることをやるのは「勇気」の感情・状態のレベルです。しかし、できないこと、やり方がわからないことをどうにかしようとすることは、コントロールの欲求です。ですから、実現方法がわからないのに、方法を求めたり、考え出そうとしたりすることは、開放しましょう。

前節「行動の指針」に行動と行動のリストの使用について、すみ分けを説明しています。参考にしてください。

「無理だ…」:諦めです。可能性の低さに囚われています。自分が諦め、つまり「無気力」の段階にいることに気づきましょう。どうして無理だと思っているんでしょう。たとえば成功する可能性が0.1%だとして、どうして失敗する可能性の99.9%に注意を向けているのでしょう。一万回チャレンジすれば、逆にかなりの確率で実現できることから目を背けているのはなぜでしょう。一億円程度なら、この世の中に持っている人はたくさんいるはずです。どうして自分がそのうちの一人に慣れないと考えているのでしょう。

  • 「年齢が低すぎる」つまり、年齢が低いのでまだ物事をコントロールできないと考えているのですね。できないは欠乏です。コントロール欲求を手放します。
  • 「年齢が高すぎる」だから、行動できない?ならば、コントロール欲求を開放しましょう。この歳になって恥を書きたくない?ならば、承認欲求です。失敗したら生活できなくなる?そう恐れているなら安全・安心の欲求です。
  • 「無謀な夢を持つなんて馬鹿げている」たぶん、他の人から指摘されることを恐れています。評価が下がるのを心配しているのです。承認欲求を手放しましょう。

「今現在を変えたくない」:実現したら良いなと思いつつ、慣れ親しんだ現在の状況を変えたくないという思いの人も多いはずです。たとえ、満足していなくてもそれなりに暮らしているので、変化を怖がっているのです。つまり、変化させたくないという思いです。変化を避けるというのもコントロール欲求です。たとえ、自分が変らなくても、周りの状況や社会、環境はどんどん変化していきます。変化させたくないというコントロールの欲求に気が付きましょう。

「1億円手にしても、なくしてしまうかも」:恐れです。盗まれたり、誰かに借金を頼まれたりして、手にしたお金を奪われる恐れ、怒りをまだお金を手にしないうちから抱いてしまうのです。もしくは、最悪の状況を考え、「お金を持っていることを悪い人間に知られ、強盗に入られ、殺されて…」という物語が頭の中にイメージされます。もちろん、安全の欲求です。開放しましょう。

「お金を手にする、それを使うと嫉妬される」:これも恐れです。嫉妬され、あらぬ噂を立てられ、評判が落ちることを気にしているのであれば、承認欲求を手放しましょう。妬みで嫌がらせを受けることを考えているのであれば、コントロールの欲求です。そうした行為から自分が迷惑を被ることを考えているなら、安全の欲求です。

「一億あれば、あいつとは手を切れる」:それが身近な人物であればあるほど、分離の欲求が強くなります。大金を手にした結果、誰かから離れたいというのは、分離欲求として手放しましょう。

「誰かにネガティブを与える」:あなたを現在、金銭的な面でバカにしている人がいるとしましょう。あなたに大金が入ると、立場が変わるわけです。心優しいあなたは、その人があなたに一億円が入ることで、傷つくことを心配しています。もし、その人から好意を得たいと思っているのであれば、承認欲求です。傷つけたくないという思いは相手に対するコントロール欲求です。相手が傷つき、それによる報復を恐れているなら安全欲求です。

「良いことの後に、悪いことが起きる」:今まで行きてきた人生で学習した法則です。これは正しくありません。良い悪いの差が大きすぎたために、印象深かっただけです。しかし、あなたは人生法則として取り入れ、実現を恐れていました。まず、このばからしい考えを開放しましょう。これは何でしょうか。悪いことを恐れるあまり、良いことの実現を望んでいないとしたら、そう「コントロール」しようとしているか、悪いことがないという「安全第一」主義に陥っていることに気が付きましょう。

「お金があっても、嫌われる」:容姿や過去の罪悪感、受けた傷で自分の評価が低くなっています。そもそも、お金と他人の評価は別物なのに、自分で関係ないことで実現を望んでいないのです。心に注意を払いましょう。大金を使い、目立つことで他の人から注目を浴びるのを避けようとしているのですか?そうなら、承認欲求を開放しましょう。お金持ちとして意中の人と交際するが、振られてしまうという将来のストーリーを描いているのかもしれません。承認やコントロールの欲求を開放しましょう。そして、自分自身をいじめる癖を手放しましょう。リリーステクニックでは、基本コースの初めで手放すことを学びます。代わりに無条件に自分を受け入れ、自分で自分をただ承認することを学びます。

もしかしたら「嫌なお金持ちのイメージ」を持っているのかもしれません。なにせ漫画やテレビドラマ、映画ではステレオタイプ的にお金持ちは権力者で、嫌な奴なのです。そうしたイメージを開放しつつ、自分が「嫌われたくない」という承認欲求を持っていることに気が付きましょう。もちろん、この欲求を開放します。

「金を持つと悪人や詐欺師を引き寄せる」:お金を持つことで、ヤクザなどから脅かされ、搾取されることを恐れているのであれば、安全・安心欲求を持っています。詐欺師に騙されることを想像しているなら、それが恥と考えるなら承認欲求、詐欺を防ぎたいと考えているならコントロール欲求、お金をなくして生活が成り立たなくなることを恐れているなら、安全欲求です。

「誰かを傷つけるのではないか」:これは強い抵抗です。あなたがお金を手に入れて、何かを行ったり、手に入れたりすることで他の人、自分の周りの環境、社会に迷惑になったり、ダメージを与えたりすることを恐れていないか、確認してください。たとえば、スポーツカーがほしいとしましょう。しかし、エンジン音は通常の乗用車より大きく、低音により振動も起こります。自分や近所の家の壁が薄ければ、もしくは人間が密集している地域に住んでいるのであれば、迷惑をかける可能性が大です。このような抵抗を取り去りましょう。そうしたら、他の人に迷惑がかからないような場所へ引っ越し、希望する車を手に入れることを考えましょう。それが可能だと、大きく考えることです。

「手続きが煩雑だ」:これも抵抗です。たとえば、船を購入したいと思っているが、免許がない。免許取得が面倒だと考えているときです。土地の取得などであれば、手数料を払えば代行してもらえますが、実技の絡む免許は当然代行を頼めません。それならば、抵抗を手放し、どうにかしたいというコントロール欲求も開放しましょう。優しい友達が現れ、楽しく教えてもらえる可能性、教官があなたの好みのタイプである可能性など、免許取得が楽しくなる可能性に目を向けましょう。

「試験に落ちバカにされる」:試験に落ちたとしても、やり直せばよいだけです。バカにされると考えているのであれば、もちろん承認欲求を手放します。

「事故や身体に対する危険」:ハンググライダーをやりたいと思っているなら、操縦ミスや突風による墜落で身体に損傷を受けたり、死んだりする可能性はあります。正しくコントロールすることへの欲求や怪我を避けたいという安全・安心欲求を開放しましょう。実際、車や自転車の運転でも同様なリスクはあります。道を歩いていても同じくリスクはあります。

「自分や家族が襲われたり殺される」:悪いストーリーが頭の中で始まり、その結果として自分や家族が巻き込まれる可能性を認識することもあるでしょう。たとえば、エジプトへ旅行へ行ったら、ISに捕まり…などです。安全・安心欲求を手放しましょう。こうした頭の中で自然と展開するストーリーも開放できます。開放しようとしても残ってしまっているのであれば、まずそうしたネガティブな可能性に注意を向ける回路を自分が持っていることをしっかり認めましょう。それから、その回路に感謝しましょう。あなたが受けるリスクを知らせることで、今まで生存の可能性をあげてくれようとしていたからです。感謝後、「もう開放しても、自由になっても大丈夫」だとその回路に話してください。その回路が持っていたエネルギーや注意力が、本来の自分と結合し、統合される感じを味わってください。

リリースをしている間、テレビニュースや新聞などで、世界中で起きているネガティブ情報に触れてしまうのは避けましょう。せっかくリリースで向上しようとしているのに、ブレーキをかけたり、逆に進もうとすることです。特に初心者に当てはまります。自分がネガティブな情報、さらにネガティブな出来事を求める習慣を持っていることに気づき、開放できるまで、自分が世間の動向を自然と求めていることに注意をはらいましょう。リリースの成果を台無しにしてしまいます。

「大金を手にすると、いろいろ手間がかかる」:抵抗です。お金を預ける銀行を選んだり、新たに口座を開いたり、お金を移動したりと、いろいろやることが頭の中に浮かびます。それを嫌がっているということは、コントロール欲求です。開放しましょう。

「税金や手数料を払う必要がある」:これも抵抗です。何かを購入したら消費税がかかります。収入に対して所得税、土地や建物を手に入れれば固定資産税となんやかんやで、税金がかかります。国の施策や行政へ不満を持っていれば、税金を払いたくないため、大金を手に入れたくないという抵抗を生み出します。国や行政組織をどうにかしたいというコントロール欲求を手放しましょう。税金を支払うことじたいが嫌ならコントロール欲求、お金が減ることで生活を脅かされていると感じるのであれば、安全欲求を手放します。もちろん、バブルの頃に不動産屋に不快な目に合わされ他人は、土地取得に関して手数料を支払うのは抵抗をもちます。最近でも、不動産屋は部屋に貸す方へ味方する傾向があるため、借りる方の人々は不信感を持っている人も多いでしょう。手数料を払うことに抵抗を覚える人もいるはずです。特に日本には敷金・礼金という制度があります。同様に、抵抗と欲求を手放します。

もちろん、不動産に関する手数料だけでなく、銀行や行政、その他どんなサービスでも、手数料などのお金を支払うことに対する不満は手放します。

「自分が所有すると、他の人の分が少なくなる」:札束や貨幣としてのお金は総量が決まっています。しかし、一億円を所有する時、それをタンス預金にしておく人は少数派でしょう。大抵、金融機関に預けます。金融機関に預けたお金は、いろいろな形で世の中を流れます。そのため、自分が所有したとしても、誰かの分が足りなくなることはありません。

たとえ、タンス預金をするにせよ、所有できない人間は好んで持たないのです。自分から所有する準備を整えないのです。本当に意図を持ち、準備ができたら、今まで持っていない人も所有できるようになります。ですから、心配はご無用です。

自分が幸福になる準備ができ、お金を所有する準備も整った時、それを手にするのです。まれに、準備不足の人が手にすると、すぐに手放したり、不幸になります。

まず、自分が所有してください。自分が手本になりましょう。最終的に、本当に幸福な人間になりましょう。自分の存在が周りの人へ良い影響を与えはじめます。ですから、自分が自分の人生で本当に幸福になることが、一番他の人の役に立つのです。

「お金があったら、食べ過ぎちゃうなあ…」:健康上、もしくは痩せるために食事を制限している人は、お金が入ればもっと食べてしまうので、それが抵抗となっているのかもしれません。まず、健康上であれば安全・安心・生存の欲求を手放します。太っていてのがコンプレックスになっているのであれば、承認の欲求があります。

お金があれば、もっと健康的な食事ができる可能性に注意を向けましょう。栄養士の指導を受けたり、やりたいことを行ってストレスを低減させ、食事に対する固執が薄くなる可能性もあります。状況をよくできる可能性も考えてみましょう。

同様に、「お金があったら、風俗へ行ける。けど、病気をもらう・・・」、「飲み過ぎちゃうなあ」など、お金があれば自分の悪い習慣にますますはまることを考えているなら、良い状況も考えましょう。お金を適切に自分の身の回りのことに使えば、好意を得るチャンスは増えるでしょう。恋人や配偶者に恵まれる可能性も増えます。アルコールが好きだとしても、その欲求以上の楽しみを持てるようになります。逆に、身体のことを気にせず好きなだけ飲むこともできます。それで、命を落としても本望でしょう。

「自分を信じるのはダサい」:自分を信じろという自己啓発的なものと同じだ、そうしたものを信じるのはバカか、弱い人間だという考えがあれば、そもそもリリースの手法で幸せになるのは難しいでしょう。信じると実現するという考えは、ニューソートというキリスト教てきな自己啓発の流れで有名になりました。リリースの手法は実際にはより古く、ブッダが直接説いた「解脱」の考えに通ずるところが多いのです。

「信じるだけで、実現できる」という考えは、怠け者の信念のように感じられます。特に理論的に人生を歩んだ人にとってはそうでしょう。

対して理論的ではないくせに、こうした考えをバカにする人もいます。しかし、本当は「期待しつつ」も「実現できないこと」を恐れているのです。たまに試してみて、実現できないと「ほら、やっぱり嘘じゃない」と、失敗したことへの理由を予め用意しているのです。

成功や実現化しないうちに、できないことにより自分が心理的なダメージを受けることを回避しています。

当然のことながら、「信じても実現できない」という考えが、「信じると実現できる」という考えより大きく強いのですから、実現できないことを証明する出来事が起きます。

彼らは「現実的になれ」と言うでしょう。しかし、現実的な捉え方はネガティブなものがたいていです。ある研究結果によると、うつ病の人は健康な人より、考え方が「現実的」であるのです。治療薬が効けば、現実的な考えに注意が捉えられなくなり、心が楽になるのです。

世間一般に「現実的」とはネガティブなのです。他の人はあなたより強く、力があり、出来事はコントロール不可能なのです。自分がいつもより強いものの被害者で、ローリスクでそこそこのリターンがあることにしがみつけと言うものです。世界は不幸や危険に満ち溢れています。

レスター博士の言うところの「世間の考え」です。その中にいることが楽だと思えるのでしょうが、実際はまったく楽な考え方ではありません。

逆に変質狂と言われるほど、ポジティブな考えをしたほうが良いのです。「全て起きたことは良い方向へ向いている。一見悪い出来事も、よい結果へ流れるために起こった。だから全て順調だ。何かをなくしたら、より良い別のものを手にするチャンスだ。」

「自分が無制限で幸福な存在である。ただ、ネガティブを抱え込んだため、本来の幸福感を味わえず、ポジティブに考えられなくなり、悪い出来事を生み出している。ネガティブがなくなれば、本当に幸福で、やることをやり、やらないことをやらない自由を手にでき、無制限の可能性をもてる。」

こうした考えを持ちましょう。持てないのであれば、それはネガティブです。手放しましょう。

まとめ

「考えは制限である」とレスター博士は指摘しています。

ゴールについてリリースすることに限らず、頭の中に考えが浮かべば、それは制限です。可能であれば、欲求として手放しましょう。欲求が見つからなければ、考え自体にとらわれないように開放しましょう。最終的に全て開放された状態に達することもあります。

まったく言葉が浮かばずに、集中し、静かで穏やかな状態に達します。それが自分自身で、実現力が最大の状態です。実現する意図(既に言葉ではない)のみを抱き、これから起きることをただ観察します。自然と実現されている様子を眺めましょう。