ある主題や目標に対して、クリアーにしていくと、愛着も憎悪も感じなくなります。これで良いのでしょうか?

もし、その時に幸福に感じているなら、OKです。目標なら、「実現できても、実現できなくても、幸せだ」と感じていられるなら、十分に開放されています。

でも、「実現できても、できなくてもいいや。」と投げやりな感じ、つまり幸福感を感じていないのであれば、単に大きな壁にぶつかっています。

レスター博士の定義した感情のスケールの一番上の「平和・平静」という状態と、一番下の「アパシー・無気力」という状態は、どちらも「動きがない」という点では共通です。ある主題に対して、「もう何もない」という動きのなさを感じるなら、この両極端のどちらかに到達したのです。それを見分けるのはシンプルで、ハッピーであるかどうかです。

幸せでなければ、アパシー・無気力に到達したのです。しかし、これは困りました。もう無い感じがしているので、それ以上見つからないのです。

こんな時は、あえてインナーボイス、つまり頭の中の声を使いましょう。「理性的で批判的な思考」を使いましょう。「全ての思考は制限である」ですからね。

例えば、「一億円手に入れる」という目標を開放して、もう何もなく感じ、それでも幸せでなければ、自分の批判的な声を使って、掘り起こしてみましょう。

自分の頭の中の声に言わせます。「無理。」

何が起きるか観察しましょう。抵抗感が湧き上がらないか注意深くなっていましょう。

「無理だ。無理無理。実現できないよ。」

観察しながら、批判的な声をドンドンと言ってみます。何でもかまいません。湧き上がるままに批判してください。理性的な批判の声は、すでに自動反応ロボットのように、私達の心に備わってしまっています。それを自由に動かしてください。

「もう歳だし、知識もない。経験もない。今までにお金に縁はなかったし。それに潜在意識の活用なんていくらでもやってきたじゃないか。それでも効果がなかった。おかしいと思いながら、でも自分のやり方が間違っていると思ってずっと続けてきたじゃないか。」

こんなふうに、ドンドンと批判します。そして感覚や感情、抵抗が沸き上がってくるままにしましょう。

あるときは、「ああ、この思考が隠れて抵抗していたんだ。」と分かることもあります。そこまで的確に理由がわからなくても、十分に抵抗感を感じ取ることができるでしょう。

では、普通に開放しましょう。手放すべきものが見つかりました。

場合により、隠れていた抵抗が取り払われ、元々感じていた「ワクワク」感が浮かび上がってくることもあります。「期待感」です。でも、これは欲求です。開放してください。簡単に取り除けるでしょう。

さて、心は再び静かになりましたか?今度は幸福を感じることができますか?それなら、本当に開放完了です。

ヒント! インナーボイスを使いはじめるときは、「理性的」な批判から初め、感覚を探ります。そして、ドンドンと言葉を走らせるときは、「理性的」であろうとして制限しないでください。「感情」や「感覚」の赴くままにします。沸き上がってきた、感覚や抵抗感を感じたまま、声にしてみてください。同じことを二度三度と繰り返してかまいません。出てくるものが理性的な考えである必要はありません。感じるまま、頭の中の声にします。