決意の段階を行った後は、リリースできているか確認しましょう。
この確認の段階は、強化の段階の中で行う、様々な強化策を行った後にも行います。要は、リリースし過ぎないように、毎回チェックするということです。
方法はリリースを始める前と比べて、どのくらい軽くなっているか、どの程度自由に感じられるようになったのか、チェックします。感情はどの程度やわらいだのか、欲求はどの位弱くなったのかに注目します。
何かを手放そうとする、決意と強化の段階では、今現在に感じている部分に注目します。しかし、チェックの段階では軽くなった部分に注意を払います。ポジティブな部分を見るわけです。
手放そうとする時は、その対象に意識を向けます。人間の意識は拡大鏡のようなものです。集中したものを大きく感じさせてくれます。傷を負った時に、その傷をじっと見つめ、「ああ、血が流れている」と思えば、どんどん痛くなります。それと同様、リリースしようとする制限に注意を向ければ、普段感じているより強く感じられるのです。そのおかげで、その中に含まれている様々な要素、例えば映像、音、体感覚、気持ち、判断、自己感覚、などをしっかりと感じられ、それをそのまま受け入れることができます。
確認の段階では、受け入れた結果、どのような変化が起きたのかを見つめます。通常、より軽い、より自由な感じです。もちろん、リリースしようとしている対象により、どの程度軽くなるかは異なります。しかし、どんな小さな変化であっても見逃さず、離れていった感じに注意してください。
この確認の段階で残っている部分に再度注意を向けてしまえば、解放されていても「ああ、これが残っている」、「ああ、あれも残っている」となり、いつまでも開放できていないと思ってしまいます。
解放された部分、軽くなった部分に注目しましょう。その上で、次のような感覚が一つでもあれば、それは解放されているのです。
- 自由に感じる
- 幸せに感じる
- 気分が向上する
- その感覚が軽くなる
- その感覚から、もう影響を受けない自信
- その感覚と関わるのは止め、あってもなくても構わない
- その感覚に注意を奪われない
- その感覚が気にならなくなる
上記は、本コースの「リリースとは」の章でリストした内容です。覚えていますか?
リリースは主観です。あなたがリリースされたと思えば、起きているのです。でも、明らかに制限で心が重たいのに、「俺は幸せだ、リリースの天才だから、既に手放せているんだ」と思い込んでも、リリースされていないのは明らかです。
基本、ひとつの制限を解き放とうとする時は、その制限だけに集中します。しかし、行なっている最中に他の制限を刺激してしまうと、やや複雑な状況になります。例えば、最初の制限は解放されているが、後から刺激されたほうが残っており、それに気がつかず最初のものの開放を続けても、全体としてリリースされた感は起きません。
このような場合、本当は自分で気づいているのです。しかし、面倒だからといって、ただ続けているのです。これが起きないよう、こまめにチェックするわけです。最初に取り掛かった制限がリリースされたようなのに、まだ何か残っているのであれば、それは別のものとしてリリースしましょう。
こうしたコントロールを自分一人で行うのは、結構大変です。ですから、最初のうちは何に取り掛かっているのか、メモを取りながら行ったほうが良いのです。「ああ、最初のやつはリリースできたけど、なにか残っているな、今度はこれを解放しよう。あれ、開放してもまだなにか残っている。別のものかな。リリースしよう。あれ、まだ残っている。ああ、最初のやつが残っているのかな?ああ、やっぱりそうだ。これですっきりした。」こうした、リリースが足りないとか、やりすぎているとかを修正するために、軽くメモっておくのは、便利ですよ。自分のリリースメモです。自分の好きなようにメモすれば良いのです。
連続してリリースを続ける場合、賢い方法は時々なにか残っていないか、開放しきれていないものはないかチェックすることです。あるテーマを決めて、そのリリースを終えるときには、必ずチェックしてみましょう。意外な感覚が刺激されたままになっているかも知れません。
確認する段階のヒント:
ラリー氏は初心者向けにリリースを指導するときに、10から1のメモリで今はどの当たりにいるかという質問を行います。リリース前にどの程度怒っているかとか、幸せかとかを数字で言わせ、リリースしていく途中で再度チェックします。これは、初心者が自分の状態を把握するのが簡単にできるように、指導する良い方法です。
これを日本人向きに、単純で使いやすくする方法をお教えしましょう。自由で幸福な状態をパーセントで表すのです。完全に自由で幸せなら100%、完全に不幸で制限されていれば0%、今あなたは何パーセント開放していますか?これを、リリースを実行する時、時々チェックすると、自分の状態の上下が数字で把握できます。簡単ですが、実用的なテクニックです。
思考に対する応用
確認の段階でも指摘しましたが、思考は制限の中で一番小さなものであり、簡単に手放せる代わりに、手放しても大きな開放感を感じることは少ないでしょう。小さいものでありますから、リリースするよりも、手放すべき思考を見つけることのほうが難しいのです。
感覚を伴わない思考を手放す場合は、それを見つけ、「ようし、もう影響を受けない」という感じがすれば、それでおしまいです。もし、「うーん。なんだかまだ影響受けるような気がする……」というのであれば、リリースされていません。他の感覚を伴うものであれば、それが和らぐことで、リリースが起きたと気づくでしょう。
手順を確認するために選んだテーマの場合、もともとそれほど制限的なものが少ないわけです。決意だけで手放せていると思いますが、ここで止めては手順を確認し、覚えることができません。ひと通り、最後まで続けてください。