最初は準備のステップです。続く決意の段階に向け、気持ちをリリースモードへ切り替えましょう。

行うことは4つです。リラックスし、手放す感覚へ注意を向け、より自由で幸福な状態になることを選び、リリースの可能性を信じることです。

1.リラックスする

体と心の力を抜いて、リラックスしましょう。

リリースは楽しんで行うものです。たとえあなたの現状がシビアなものであってもです。その問題を解決したい、処理したいという強い思いは、かえってリリースを阻害します。

たとえリリースができなくても、状況としては変わらないわけです。リリースできても変わると限りません。リリースは心の制限の解放でしかありません。直接的な解決策ではないのです。そのため、できても、できなくても状況が変わるわけでないのです。何か起きるとするならば、それは制限の影に隠れていた、本来のあなたの力です。ですから、リリースするこの時間だけでも、問題から心を離し、何が起きるか楽しみましょう。遊び心が大切です。

リラックスの仕方は特に決まっていません。お好きな方法でどうぞ。ただし、あまり時間をかけ過ぎないでください。リリースの前に、リラックスするために、座禅を一時間組む……これは、明らかにやりすぎです。程々にしましょう。

2.リリースしたい感覚・制限へ注意を向ける

この時点では、軽く注意を向けるだけでかまいません。どんな感じがするか、少しだけ感じる程度でかまいません。心の制限を抱えている状態は、決して気持ちが良いものでないと思える程度でいいのです。まだ、準備の段階ですからね。

3.制限全てを投げ出して、より自由で幸福になる決意をする

次の質問に答えてください。

「このままあらゆる制限を持ち続けて、一生苦しみたいですか?それとも、全部リリースして一刻も早く自由・幸福になりたいですか?」

決断の段階でも、同じような質問をすることになります。実は、強化の段階でも同じです。違いはあるのでしょうか。

この段階では、心の制限全体、つまり全ての思考・習慣・感情・欲求とそれらに付随する感覚やエネルギーにこだわり、持ち続けるのか、解放するのかを聞いています。まだ、特定の制限について聞いているわけでなく、心の制限全体に対して持ち続けるのか、解放するのかを選択します。

準備で、心の制限ならなんでも捨て去ってやるぞと決断するのです。制限全部を余すところ無く解放する決意なのです。

4.リリースできる可能性を信じる

心の制限を開放できる可能性に心を開いていないと、いくらリリースが生まれ持った能力であろうと、何も開放できません。心の問題です。できるかできないかを決めているのは自分です。初めからできないと思い、やってみても必ずできないでしょう。なぜなら、「開放できない」ことを証明するために、行うわけですから。自分のリリースなんてできないんだ、という考えの正しさを証明しても、あなたに得るものは一つもありません。

初心者は制限を手放せる、実感が無いでしょう。でも、一度でもリリースに成功出来れば、実感がもてます。そして、解放すればできるほど、強くなります。実感が強くなればなるほど、リリースが行いやすくなります。

確認してみましょう。次の質問に答えてください。

「リリースできそうですか?」

ほんの僅かでも「はい」であれば、それでかまいません。準備の段階はおしまいです。

もしあなたが初心者でリリースに対する実感が無いため、どうしても答えが「いいえ」であれば、少しだけでもリリースできる可能性を認めてください。例えば、過去に気になっていたことで、今では気にならないことはありませんか。眠って、朝起きたら、嫌な気分が無くなっていたことはありませんか。悪い気分が、良いことが起きたため、吹っ飛んだことはありませんか。これらは全部、自然なリリースです。そうした経験をいくつか思い出してください。

自然にリリースが起きているということは、あなたにリリースの能力があるということです。そうならば、今度は意図的に利用する可能性を認めてください。ほんのちょっとでかまいません。「いいえ」というマイナスの状態では無理ですが、わずかにでもプラスの方向に向いているのであれば、チャンスはあります。

これで準備の段階は終了です。決意の段階へ進みましょう。

なお、続けていくつかの感覚、制限をリリースする場合、毎回この準備段階をする必要はありません。一番最初に一回行えば、十分です。ですが、やりたければ毎回やってもかまいません。

続けてリリースするときでも、たまに準備のステップを見なおしてみると、良いヒントが得られるかも知れません。続けてリリースしていると、段々と力んできたり、開放したいという気持ちが先走り、幸福で自由になりたい気持ちをなおざりにしたり、リリースできない感じを持ったまま続けたりしがちです。それで、リリースの速度が鈍ったり、引っかかって先に進めなくなったり、気分が逆に悪くなったりします。この準備のステップは、リリースの障害を取り除くステップであることを覚えておいてください。