大きな段階の真ん中、第2段階が決意です。感覚を手放す決意を行います。
これが一番重要な段階です。一番の基本です。最終的に、リリースが上達したら、この「決意」のみでリリースできるようになります。みなさんも、決意だけで、その時に感じている感覚や感情を開放できるようになることを、目標としてください。これは難しいことではありません。人間本来の能力です。実は、簡単なことなのです。
自転車に乗ることと、例えることができます。もちろん、生まれた時から自転車に乗れるわけではありません。しかし、自転車に乗ることの基本には「体のバランスを取る」仕組みがあるのです。この仕組は、まっすぐに立つときにも使用されています。大抵の人は苦労なくまっすぐに立てますが、めまい持ちとか、体の一部の不調があると、まっすぐに立つのは難しくなります。
では、まっすぐに立てる人が全員自転車に乗れるかといえば、そうではありません。心理的なブロック、例えば「怖い」とか、「難しい」とかがあるならば、身体的な能力があろうと、自転車にまたがり、ペダルを踏んだとしても、そのブロックが正しいことを証明する結果に終わります。ハンドルはふらつき、ブレーキをかけることもできず、最悪の場合はどこかにぶつかるか、転倒してしまうでしょう。
自転車に乗れる人から言えば、「一度乗れれば、後は簡単」ということになります。一度成功すれば、心理的なブロックは崩れ、本来の体の機能をそのまま利用し、簡単に乗れるのです。
リリースも似ています。リリースできるようになるまでは、リリースは不可能で自分の心の大部分は思い道理にはならないと思っています。ところが、一回でも決意により手放すことに成功するか、自分が解放できた過去の出来事を思い出せば、後は簡単にできるようになるのです。
リリースできないのであれば、いくら言い訳を考えだしても、真の理由は一つです。あなたが、自分でその感覚を握り締めているのです。あなたが自分の感覚、感情の責任者であります。それを認めなくてはなりません。
あなたが自分の感覚に責任があると認めることはリリースの能力の向上に深い関係があります。リリースできない人は、「この状況が悪い、あの人のせいだ」と自分の感情の乱れを、自分の外界、環境のせいにしています。それでは、「私は自分の感情には責任がない、だからコントロール出来ない。手放せない。」と言っているのと同じです。
リリースとは何でしょうか?リリースとは、その対象物を自分の影響下から放り出すこと、捨て去ることです。捨て去ると決めるのは誰でしょうか?もちろん自分です。
あなたに与えられている選択肢は単純です。「持ち続けて苦しむか?放り出して自由になるか?」です。現状は多くのものを抱えているのです。「放り出す」という決意をしなければ、ずっと持ち続けることを選んでいるのと同じなのです。
決断は、決意の前の準備段階にも、決意の後の強化段階にも含まれています。この決意の段階で決めることは、今手放そうとターゲットにしているその感覚を手放す決意です。「ああ、この感覚は嫌だな、重いなあ…」と感じているそのものを、「解放しよう!手放そう!放り出そう!もう影響は受けない!」と決めるのです。