抵抗は特定の状態ではありません。その実態は、今まで述べてきた思考・習慣・感情・欲求です。

抵抗は一つの分類ではなく、あなたが何か目標を掲げたり、行動を取るときに起きる、反対する感覚全体へ名付けられたものです。日本語でしたら、「抵抗感」が一番わかり易いでしょう。

仕事で営業に行き、単価100円でまとまっていた話が、いきなり98円でと相手先から切りだされた時、胸のあたりで「きゅっ」と感じたら、それが抵抗感です。嫌いな上司から、仕事の後に一杯引っ掛けようと誘われた時、胃が後ろに引っ張られる感じがしたら、それが抵抗感です。

実際は、怒りや不安の感情かも知れません。はっきりと分かるまで、強いものではないでしょうが、感覚として浮き上がってくるでしょう。ある時は、はっきりとどの感情かわかることもあるでしょう。もちろん感情でなく、他の制限かも知れません。

こうした抵抗感は出来事が起きた時には、体の感覚として現れます。しかし、別の表れ方もあります。

例えば、あなたが今の会社が嫌で、本当は辞めたいと思っているとします。それ自体が既に悪感情であり、抵抗そのものです。それを押し殺していると、今までしたことのないミスを冒してしまったり、大切なことをど忘れするようになります。このミスを起こす、ど忘れするのも抵抗の一形態です。そして、結局会社をやめるのです。良いことを止めてしまうのも、抵抗の現れの一つです。リリースが自分に必要だと思っている人も、長続きしなければ、こうした抵抗にあっているのです。

抵抗感を持っていると、物事がスムーズに進まなくなります。ですから、抵抗感を手放すのは大切なことです。抵抗感の解放は、抵抗そのものとしてリリースすることが基本です。しかし、それがどの感情か、どの欲求かを追求して、手放すこともできます。抵抗の正体を探るのは、必要なことではありませんが、見つけ出したほうが、深く手放せる可能性はあります。