感情も制限の一つです。

感情を理解しやすくするために、スケールで表すのは、能力開発や心理的な学習ではよく見られますが、いくつに分けるのか、様々な考えがあります。LLリリースはレスター博士の考えを根本にしていますので、レスター博士のスケールを利用していきます。

感情のスケールという名前ですが、勇気や平和なども含まれていますので、厳密に言えば感覚のスケールです。ここでは感情という言葉を利用しますが、感情と各感情に伴っている感覚は関連がありますので、全く別物では無いのです。概念的に、広く大きな意味で理解してください。

感情のスケールはポジティブなものが3つ、ネガティブが6つにわかれています。

ポジティブな感情は、cap(キャップ)の省略語で表されます。上から平和、受容、勇気です。capは勇気、受容、平和の順番で、基の英単語の頭文字を取ったものです。

ネガティブな感情は、agflap(アグフラップ)の省略語として表されます。上から、プライド、怒り、渇望、恐れ、悲しみ、アパシーです。これも、アパシーからプライドまで、基の英単語の頭文字を取ったものです。

それぞれの感情が表す状態は、日本語と英語でも大差はありません。細かいポイントだけ解説します。

全てのネガティブな感情のもとには、恐れがあるとレスター博士は指摘しています。これを応用するのであれば、例えば、毎日、その時点で感じている感情や感覚を定期的にリリースするときに、全部の悪い感情をチェックするのは時間がかかりますが、恐れ一種類だけをチェックして、引き出すことにより、短時間に悪い感情を引き離すことができるのです。

英語のプライドは、日本語で「プライドを持つ」という時のように、良い意味合いよりは中立的、むしろ悪い意味合いを含んでいます。プライドは、とても狡猾で、自分は「やりたくない」という表現をするのですが、心の奥底では「できない」という気持ちを隠しています。また、プライドは他の感情とくっついて、長引かせることもあります。例えば、大きな事故にあったとか、大失恋をしたとか、そうした経験に対し、「これは特別な、私だけの経験だ」というプライドを持つと、表面的な事故の恐れや、失恋の悲しみという感情を長引かせ、リリースしようとしても、なかなか放り出せません。自分でなかなか特定の感情が手放せない時は、プライドが隠れていないかチェックしてください。

プライドはポジティブな感情や出来事とも結びついてしまいます。過去の栄光を引きずっている、多くの人をあなたも知っていると思います。そのプライドのため、過去にしがみつき、現状に対応できなくなってしまうのです。