習慣も制限です。意識化されなくなった行動パターンです。

レスター博士は、これは比較的小さな思考の塊であり、簡単に開放できると言いました。

タバコは止めづらい習慣の代表格と言われています。禁煙用品としてニコチンのパッチなども販売されていますね。でも、タバコを吸うのをやめることに成功した人の統計を取ると、「とくに何もしなかった」というのが、一番多いのです。禁煙成功者で一番多いのは、ただ、「止める」と決めただけの人たちです。私の父と弟は、ヘビー・スモーカーでしたが、病気になったことをきっかけに、すっぱりと止めました。その時も、特別に何かを行ったわけではありません。止めると決めただけです。

喫煙ほど止めることが難しいことで有名でないにしろ、私たちは数多くの習慣を持っています。意識して身に着けた、良い習慣もあるでしょう。いつの間にか身についた悪い習慣もあります。

どちらの習慣も、決断で手放すことができます。いくら良い習慣でも、それをするのにこだわったり、そぐわない場面で行なってしまったりしてしまえば、自分のためになりませんよね。一時的にその習慣を止めるべき時に、止めてみたら、何か落ち着かないと言う人は多いはずです。

日本人は入浴好きで、大抵の人は毎日お風呂に入ります。シャワーを使う人もいるでしょう。いずれにせよ、体を洗うわけです。しかし、キャンプに行くとか、風邪を引いたとかの理由で、入れないと、いくら着替えても、なにか気持ち悪さを感じるでしょう。入浴自体は良い習慣ですが、それができないと、肉体的な皮膚の感覚以外で、心理的な気持ち悪さを感じます。

リリースで放そうと思えば、入浴の習慣も手放せます。でも、それではみなさんが臭くなってしまいますので、しばらく持ち続けていましょう。何らかの事情で入浴できなくなり、それだけで気分の悪さを感じるときには、手放して見ましょう。

実際、リリースで解放するのは、例えば「特定の種類の人を見ると不安に感じる」とか、「パチンコ屋の前を通ると、どうしても足が向いてしまう」、「必要もないのに携帯を持ち歩かないと落ち着かない」、「道路の上を歩く時、白線をなるべく踏まない」、「ちょっとでも気になる本は購入してしまう」というような、習慣になるでしょう。良い物も悪いものも、開放できます。

習慣も思考と同じで、無意識の行動・感覚パターンであるところが問題なのです。自分のコントロールを受けていない自動動作パターンです。それを、意識し、必要に応じ習慣を行う、行わないを切り替えられるのであれば、より習慣を利用できます。ですが習慣にコントロールされている状態は抜け出しましょう。