LLリリースでは、決意によるリリースを最終目的としています。では、それはなぜでしょう?

LLリリースはレスター・レビンソン博士のレクチャーの内容から、ヒントを受けて構成されています。レスター博士は開放系の手法として有名なセドナメソッドやリリーステクニックの大元を気づいた人です。レスター博士は具体的なリリース手法を教えること無く、決意のみでリリースできることを生徒たちに教えていました。

レスター博士の生徒たちにより、コースや技法としてまとめられていくうちに、様々な要因が付け加えられたようです。それは博士自身も知っていたでしょう。博士は既に亡くなっていますが、生徒に直接教えていた頃には、既に学習コースは存在していました。でも、博士はそれを「そのまま」にしておいたようです。推測するに実践すれば、段々簡単になっていくことが、博士にはわかっていたのでしょう。博士はK.I.S.Sという言葉を好んで使ました。

K.I.S.S.はくちづけではありません。"Keep it simple, sweetheart"、「愛する人よ、シンプルなままにしておきなさい」という意味です。この場合の愛する人とは、もちろんリリースを学んでいた生徒たちのことです。

実践を積み重ねていけば、「リリースしよう」という決意だけで、開放できるようになります。そして、決意によるリリースは、余計な手間がかからないため、シンプルで早いのです。実にストレートな方法です。

ただ、シンプルな方法なのですが、それゆえ私たちはリリースできることに納得できません。簡単な方法では開放できないと思ってしまっているため、手放せなくなっています。そこで、最初のうちは、色々な技法を補助的に利用しましょう。日々実行し、自分の力で開放を続けていくうちに、段々と決意でリリースできる可能性を認められるようになれます。焦ることはありません。誰でもできるようになります。

なぜ誰でもできるようになるかといえば、それは私達が生まれた時から解放する能力を持っているからです。赤ちゃんは、おむつが濡れたとか、お腹が減ったとか、不愉快なことがなければ、ごきげんです。不愉快なことがあれば、手助けを得るために大きな声で泣きます。その不愉快さが解消されれば、すぐにごきげんに戻ります。「あと5分くらい不機嫌でいようか」などと、感情を引っ張りません。

しかし、すぐに愛情を得るために、引き伸ばすという戦略を取り始めます。いわゆる「ぐずる」という方法です。こんな小さな頃から、私たちは感情を持ち続けることを選んできたのです。成長しても、私たちは悪い感情を引きずり、ぐずっているのです。

では、最初の決意をしましょう。「制限を持ち続けて、人生を苦しみながら進みますか?それとも、制限をリリースして、人生を楽にスムースに生きますか?」

どちらを選んでも、あなたの決意です。

解放が進み、制限が取り除かれるにつれ、段々と決意は強く、容易にできるようになっていきます。これは、実践しないと体感できません。

そしてその結果、開放すること以外の決意も、段々とはっきり出来るようになります。

これは、自分でやると決めたことを行い、やらないと決めたことを行わない能力につながるのです。

人生のいつ何時でも選択し、決意しているのです。ですから、決意の能力が上がることは、その他の能力を上げることにも貢献します。

更に、何事を行うときにもつきまとう、心に湧き上がる抵抗感も弱くなっていきます。たとえ抵抗が現れても、すぐに手放すことが出来るのです。その結果、人生を段々スムースに進めるようになります。