学習という点で、リリースを考えるならば、まっさらな心で始めたほうが、素早く体得できるでしょう。
制限のリリースはシンプルな主題です。実際、この技術は何かを体得するというよりは、元々持っている能力を思い出すことなのです。
でも、学習がうまく行かなかったり、諦めてしまう一つの要因は、自分が既に持っている「知識」に囚われてしまうのも、原因の一つでだろうと最近思っています。
例えば、スキーができる人なら、全くできない人より、スノーボードの体得は早いでしょう。スキーの経験がスノーボードに役立つからです。これは、スキーとスノーボードが道具が違うにせよ、同じ種類の学習内容を含んでいるからです。
Web上を見ていると、素晴らしい知識で、リリースを解説してくれている人は多くいます。私も最初は参考にしていました。ところが、解説は立派なのですが、どうも理論の空滑りで、実際に応用していないのだろうなと思われるようになってきました。ええ、まあ、たんなる直感でしかありませんが、直感がどういう性質のものか、皆さんご存知でしょう。
これを書いている私自身、同じ面を持っています。ですから、このサイトの内容は参考程度にしておいてください。
そうした人たち(私も含めてです)は、どうしてなかなか向上できないのでしょう。知識を持っていれば、簡単に体得できそうなものです。
一つの原因は、既に持っている情報が正しいとは限らないからです。学習は体得よりたやすいため、知識を実際に試し、経験して見る前に、満足することが多いためです。実際に試してみれば、その知識が正しいかどうかは分かります。ですが、多くの人は、学習だけで満足してしまうのです。確かに、学んで「わかった!」と感じるのは気持ち良いのですが、その前提は「わからない」であり、これも欠乏感を埋めて、満足するという、私達が長いこと習慣にしている、欲求の一つの形でしかありません。
幸福なことに、私達が学習した知識が正しいとしましょう。ですが、それを実行しなければ、「この行動は正しい」、「あれは間違っている」、「こうしなくちゃ」、「これはやっちゃだめだ」という考えが浮かんできます。さて、どこかで聞いたような考えですね。そうです。単に制限を増やしているだけなのです。
その結果、「学んでいよいよ迷う」ことになります。欠乏感を埋めるため、一生懸命学習した内容が、今度は私達を縛るようになります。ある人は、やらなくちゃと思いつつ、やらないことに罪悪感を募らせ、段々抵抗を大きくし、結局最後にはやろうとする気持ちを無視することになります。
解決策は?単純です。新しいことを学ぶには、まず、過去の情報や経験を一旦脇においておくことです。実際に結果を出せないゴミの上に知識を重ねても、完全に学習できません。まっさらで、まっ平らな場所に、今度はきちんと確かめながら、築きあげましょう。
もし、「私はこれを知っている」と思っているのであれば、新しい知識は学べる訳ありません。逆に、「知りたい」という強い欲求は、結果を確かめたり、判断することなく、情報を頭の中に送り込みます。その知りたいが、外ではなく、内側に向かうものであれば、リリースに限り、とても役立ちますけれどね。
学習前にはリセットです。まっさらにしましょう。知っているというプライドも、知りたいという欲求も捨てます。
学んだ内容を実際に自分で行い、その結果を判断しましょう。すべての人に向いている情報なんて、存在しません。あなたにとって正しい知識を体得しましょう。