シンプルですが強力な怒りの破壊方法を一つ紹介しましょう。繰り返して湧き上がる「怒った」出来事の感情を処理するために使っている方法です。
- 受け入れましょう。怒りを持ってもいいんです。その間苦しいのは自分です。怒りを持つことを否定することはありません。自分が苦しいだけで、表さない限り、他の人に影響を与えるものでもありません。
- そのまま怒りを感じましょう。出来事を思い出して下さい。
- 出来事の最後まで思い出したら、次のように思って下さい。「相手も悪い。自分も悪い。」 沸き上がってくる感情や感覚はそのまま受け入れましょう。一時的に思い感覚、爆発しそうな感覚が強くなるかもしれません。受け入れ、それから受け流しましょう。
- 次にこう思って下さい。「相手も正しい。自分も正しい。」 怒りが砕ける、引いていくはずです。
- 数回繰り返しましょう。「相手も悪い、自分も悪い。」 続いて、「相手も正しい、自分も正しいです。」
- 十分に怒りが解消されたら、最後に実感して下さい。「みんな、一緒だな。」
人間の怒りは、善悪に結びついています。普段、怒るときは「相手が悪い。自分は正しい。」という考えにとりつかれます。もしくは、「相手が正しく、自分が間違っている。けど、そこまで言わなくても…」という正当化に陥ります。常に、相手と自分の善悪は逆の立場であることを、心が証明しようと、苦しみ続けているのです。
ですから、対立が起きないように、同じ方向の視点で自分と相手を見て下さい。ただ思うだけなのに、善悪のスイッチが入らなくなり、やがて怒りは消えていきます。
最後に、自分も相手も同じであることを感じるのは、自分と相手という境界線を無くし、すべて一緒であるという感覚を強めるためです。自分と相手に善悪をつけるということは、この境界線を強く深くすることです。それをなくし、すべてが同じであるという感覚に浸りましょう。
そうすれば、怒りの経験も自分の向上に結び付けられます。すべての出来事は、自分を向上させるために起きるのです。