アパシーは無気力です。これは感じられる感覚です。でも、感じづらいものでもあります。

名前が無気力ですから、無気力感があれば自分でも気づきます。

しかし、意外とバラエティーがあり、それがアパシーなのだと自分で気づかないこともあります。ネガティブな感覚、疲れもアパシーです。もちろん、100Km走った後では体はつかれるでしょう。でも、普段の生活で疲労感を感じるのでしたら、それもアパシーなのです。

出来ないという感じ、これは往々にして抵抗としても感じられることができます。「かまうものか」、「ほっとけ」、「無駄だね」、「しょうがない」という感覚もアパシーです。「後でいいや」、「明日で構わない」というのもアパシーです。

これらの思いは、ちょっとした心の引っかかり、抵抗として感じられますので、注意深く探せば気づくことができます。

残念ながら、私達はアパシーに浸かり込んで、それがアパシーと気づかなくなっているものも多く抱えています。

例えば、やろうとしているけどうまく行かないこと、忘れがちなこと、かなわない夢、達成できない目標、進まない計画などがあれば、それは抵抗を持っており、その抵抗は大抵の場合アパシーなのです。

「そんなことはない、だって特に何も感じないし…」

いえいえ、自分がそう思っていたって、現実が教えてくれるのです。いくら否定したところで、(その否定により見つからなくなっているのですが)なにかがうまく行かないのであれば、自分はそれに関してアパシーの感情を持っているのです。

これを処理するには、まず認めることが第一です。「うまく行かない。だから、自分はこのことにアパシー・抵抗を持っているんだ。」これが最初です。このポイントを認めない限り、物事は改善しないし、アパシーをリリースすることはできません。なぜなら、見つからないし、気づかないからです。

アパシーは「無感覚」も含んでいます。それは、たぶん初めから感覚がないのではなく、普段の生活で余りにもたくさん感じてしまい、麻痺してしまっているのです。なぜなら、アパシーを抱えていなければ、私達は飛ぶ鳥を落とす調子で幸せに向かっていることでしょう。そうでないから、この文章を読んでいるのですよね。

アパシー、無気力というと、ひきこもりのようなどうしようもない状態を表すと思いだしがちです。感情のスケールでも一番下ですからね。「自分はそんなに低い状態でない」と私達は思っており、それは実際プライドで、無感覚のアパシーを固着しています。

全体としてのあなたがアパシーでないにせよ、ある分野、特定の状況に対してアパシーの感覚を抱えているのです。他の感情と同じです。例えば、怒りを例に取れば、普段はおとなしい人でも特定のことに対しては敵意をむき出しにすることがあるでしょう。あなたも怒りを感じるなにか特別な物事があるはずです。それがいかに正当化されたものであっても、怒りは怒りです。これと同様に、特定の物事に対し、私達はアパシーを抱えているのです。

リリースに停滞している場合も、そこには抵抗があります。その抵抗はアパシーです。全ての停滞は抵抗であり、アパシーを含んでいます。そのくらい大胆に考えてください。

まず、アパシーを抱えている可能性を認めたら、うまく行かない物事に対してアパシーを探ってみましょう。感情のスケールのワードリストはアパシーを探すために役立ちます。その停滞している領域に対し、素直になり、各単語により浮かんでくる感覚に敏感になってください。

うっすらと霞がかったものから、時にはとても強い抵抗感を感じることもあります。それほどの感覚が隠れていて、今まで見過ごされていたということです。

アパシーを取り去ると、停滞感が無くなります。そのことに対して、明るい希望を持てるようになります。また、隠れていたその他のネガティブな感覚にも気付けるようになります。

感じないから、アパシーを抱えていないのではなく、物事がうまく進まなければ、それはアパシーを抱えている証拠なのです。素直に認めてしまえば、とても有効なアイデアです。