カッコつけて英語のタイトルです。本中毒です。
私の文章は時にトゲトゲしいときもありますが、私自身わかっていて書いています。何人かの小説家の方が、書くことは自分の内面を晒すことだと指摘しています。その通りで、自分の中にある皮肉屋の部分が、顔を出します。
それもまた、文章のパンチ力を上げるために役だっていると思っています、ですから、あえて残しています。
前フリはこのくらいにしましょう。わざわざ書いたのは、読書家に対する毒を吐くことになるからです。覚悟して読んでください。
さて、本か売れないと言われています。景気のせいだとも言われていますし、電子書籍が浸透してきたからだとも言われています。また、中古本屋が大型化し、取扱量が増えたためだとも言われています。
それらは全部、出版する方の責任には全然触れられていません。たくさんの書籍が出版されますが、内容の品質が落ちています。
売れればどんな内容でも構わないと、とんでもない内容の書籍を出版し続けています。印刷までの工程の自動化と、コストが安くなったため、新しい本が作りやすくなりました。
そして、不況のため、大ヒットが出なくなり、飽きやすい読者のために、新しい本がどんどん出版されます。素人の書き手が採用され、内容の低下にどんどん拍車をかけます。
もし、とんでもない内容でお金を取り、結果がでないのであれば、ただの詐欺です。私たちは、出版社が出したものは信用してしまいます。出版する方もとんでもない内容だとわかっていても、出してしまいます。「それを好む読者がいるから」という理由です。出版社が書籍の形で出すと、詐欺だとは誰も考えませんが、騙して金を取る普通の詐欺と何ら変わるところはありません。詐欺師の言い訳は「ダマされる方が悪い」です。好む読者がいるからトンデモ本を出版し続ける出版社と同じレベルですよね。そして私達、読者はそんな考えかたは全然しないのです。よい鴨なのです。
私達、読者についても考えてみましょう。
読者は、権威に弱いのです。健康に対する書籍には大抵「医学博士」という名前が付きます。大学院まで行って勉強したという印でしかありません。お医者さんでなくても持っている人はいます。かつて脳内革命という本が大ヒットしました。お医者さんで博士号もお持ちだったと思いますが、内容を他の医者や博士から非難されていました。その後、脱税して、責任をとって病院の院長をおやめになったと思います。
また、私たちは外人の名前にも弱いのです。特にアメリカ人です。アメリカの成功本が翻訳され、名前が英語っぽいだけで信用します。ちょっと成功すると、成功のコーチとして商売ができるお国柄です。教えているのは、たいてい一般論か、その人自身の信条や方法であり、教えを受けた人全員が成功できるわけがありません。こうした人達の成功本を私達日本人はありがたく、無条件で受け入れます。
大抵の成功本は、「こうしたら成功するぞ」と言っているだけの著者でしかなく、実際に成功していません。ザ・シークレットのロンダ・バーンはこの企画で大成功しました。その前は、成功していませんでした。彼女にあったのは企画力です。日本語版の説明には、彼女がいわゆる引き寄せ教師を呼び集めたことになっていますが、事実は違います。出演者の多くが参加していた、アメリカの成功・メンタル・スピリチュアル・モチベーションといった領域のコーチや著者が集まり、人間性の向上をうたった集まりを開きました。そこに面会を求めてきた多くの人の一人がバーン氏でした。「こころのチキンスープ」シリーズで有名な、ジャック・キャンフィールド氏と、数人があしらうつもりで会ったのです。キャンフィールド氏は、直感で彼女の話を受け入れ、他の教師たちにも話に乗るように勧めました。その結果が、引き寄せブームです。彼女だけが儲かったのではありません。それに参加した教師も「引き寄せの法則」をタイトルにした書籍やセミナーで十分に潤ったのです。「お金持ちになるのは、こうしたらお金もちになれるという方法を売ることだ」という皮肉通りの出来事でした。そして、私達日本人もそれに乗っかり、日本語版が発売され、日本の読者も受け入れました。
出版会においてはアメリカ人の名前は一種の権威として働いています。逆に、日本人がいくらいいことを書いてもなかなか受け入れられません。そのために、無理矢理にでも権威付けが必要になります。占い師じゃ芸がないので、スピリチュアルカウンセラーという名前が付きます。私はただのリリース好きな実行者ですが、もしタイトルを付けるのであれば、「メンタルリミット解放研究者」です。
笑ってください。でも、実際そんなものですよ。あなたの信用している本とは。昔、仕事の関係で企画屋さんの手助けをしましたが、ある何人かの有名な博士の書いている本は、名前だけ貸して、ゴーストライターが書いていました。その人の助手であったり、企画屋さんが書いていたのです。最近は出版者もお金がなく、名前を借りる金もないので、一般の人に権威を付け、素人の書いた原稿を、次々に出版するのです。
リリースと権威付けは相反するものです。ですから、私は仰々しいタイトルを付け、このサイト訪問者を騙したいとは思いません。でも、活字にするとなんでも信頼してしまう人も多いです。ですから、自分で確かめて、効果のあった部分を取り入れて下さいと、お願いしています。
ここで質問です。一般的にはアメリカ人の書いた本は、詳しいが、やや難しく、内容が高度で、日本人が書いたものは、優しいが内容が希薄であると感じませんか?
それが出版事情なのです。読者はアメリカ人が書いたのであれば、ほぼ無条件で、どんな内容でも買ってしまいます。権威があると思いますからね。難しくても、ありがたや、ありがたやと努力して読んでくれます。
一方、素人書き手が出版に持ち込むためには、「わかりやすくて、素人向けで、上から目線で、権威的に書く」ことが求められます。つまり、読者は頭が弱く、社会人で30代、40代の人向けであっても、一般の高校生程度のオツムでもわかるように、例をたくさん上げ、考え無くてもいいように、事細かく書き、一方的にあれしろ、これしろと指示するように書かなくてはなりません。」とくに、実際の権威がない人が書く場合には、こうしないと出版の企画さえ通らないのです。
ですから、日本人か日本語で書いた本は、あなたが頭を使わず読めるようになっています。内容を充実することは許されないのです。ですから、アマゾンなどで内容の薄さを指摘しているコメントを書かれている人もいますが、書き手も書きたい通りには書けないのであると、理解してやってください。
有名人や出版経験が豊富な人の場合は、事情が違います。こうした縛りがない人が書いた本は、出来が良くなるか、最悪になるかのどちらかでしょう。平均的な高校生程度の頭脳という想定ではなく、実社会で生活している人の身の丈にあった知力に合わせ、内容も充実して書かれていれば、良い本になります。しかし、よくあるのが人気スピリチュアルなんたらが書いた本で、全然内容が無いがその人の名前で売ろうとしているタイプのゴミのような書籍になるかです。でも、活字中毒である私たちは、それもまたありがたがるのです。
簡単にいえば、私達読者は出版社からバカにされ続けているのです。そうであっても、出版社を信頼してしまっています。書籍で活字になっていれば、信用してしまうのです。
「悪い男だとはわかっているの......でも、離れられないのよ。」
よくある、恋愛物のストーリーです。私たちは、馬鹿だなとおもいます。しかし、同じ事をやっているのです。「トンデモ本だとわかっているの......でも、買わずにいられないの。」
一部の人はそれに気づき、本から離れます。もしくは、購入に慎重になります。ですから、出版者の思惑通りには売れなくなります。内容が少ないですから、多くは売れません。それで、著者を変え、新しく内容の薄い本が、出版されます。
賢くなりましょう。
更に、視点を変えましょう。私たちは、自分の志向に合う書籍を読む傾向があります。本当に必要で、手助けになる本ではなく、手助けにはなりませんが、自分の持っている考えや思いを、深めてくれる書籍を選んで、読んでしまいます。
その結果、多少は気分が良くなります。「この著者は私のことを理解してくれる。」そして、自分の自我を強めます。書籍に結果を求めるのではなく、理解を求めます。結果を求めませんから、状況が良くなるわけはありません。
たまに、ベストセラー本など、自分の思考と合わない書籍を読むこともあるでしょう。でも、内容はフィルターにかけられ、内容の多くは拒絶され、フィルターを通った一部のみが、受け入れられます。そして、満足するのです。
ますます、制限を強くしていきます。
最後のポイントが一番重要です。私たちは、読んでも実行しないのです。これが、たいていの書籍が役立たない一番の理由です。
お医者さん曰く、健康に良いことの情報を得た100人に一人が実行する。その内の100人に一人が継続するとのこと。つまり、一万人に一人しか継続できないのです。健康という自分の生命に関わることであってもです。そこで、実行する前に、薬に頼ろうとします。
この話が興味深かったのは、かつてネット上に掲示板を作った際に、訪問者の100人に一人がユーザー登録し、その内の100人に一人が書き込みを行うという私の経験と似ていたからです。
多分これは、読者にも言えることでしょう。読んでも、実行する人は100人に一人です。その内の100人に一人しか、継続しないでしょう。実行もしないで、内容がどうのこうのというコメントが、アマゾンに多くあるのは、こうした理由です。読んで満足し、読者の多くは実行しません。
実行を避けるのは、知識に対する間違った考えを持っているからです。知識は場所を取らず、どこにでも持ち歩くことができ、必要なときにいつでも使えるので、色々なことを知ることは良いことであるという考えです。
それは、我々本読みが持っている幻想、言い訳にすぎません。使わない知識は役に立たないだけです。実際に、普段使わない知識を、いざというときに使えるわけがありません。知識を増やし、制限を増やしているだけです。
知識を得て、実行し、その結果を見て効果があるかどうかを見極めます。それは、個人によって異なるのです。自分に役に立たないのであれば、その知識に縛られることはありません。捨て去りましょう。結果を出せる知識が持てたのであれば、活用しましょう。
書籍や新聞で活字を追っても、結果は出ません。結果を確認するために、実行してみなくてはなりません。
とても当たり前のことです。そして、本中毒から抜け出し、依存から脱出するには、必要なことです。