リリースを決意した後、そして強化の段階で自分に合った手法を行った後、リリースできているかチェックします。

これは、小さなステップです。リリースをはじめる前に比べ、どの程度軽くなっているか、どの程度自由に感じるかをチェックします。

決して、残っている重さや、どのくらい制限があるかを計るのではありません。どの程度、軽く自由になっているのかを、見つめるのです。

軽さと自由を感じるため、わずかな間、重さに注意してもかまいません。でも直ぐに、軽さと自由な感じに焦点を向け直してください。

観念的なものに対する私たちの感覚は、まるで虫眼鏡のように働きます。集中している感覚を、実際より大きく見せてしまうのです。

例えば、怪我をした時、その場所を見つめ、痛さに感覚を集中してください。当然、とても痛く感じます。逆に、体の中の痛くない場所に集中してみましょう。痛みは和らぎます。

痛みやかゆみに対して、私たちはこの戦略をよく使います。おなじみですよね。

では、リリースのチェックで考えてみましょう。

残っているものに集中すれば、それが大きく思えます。「まだ、こんなに残っている」とネガティブに思ってしまいます。その結果、リリースできないという実感を強めてしまいます。

逆に、離れていった部分の感じに集中すれば、「もう、こんなにリリースできた」とポジティブに思えます。そして、リリースの可能性に対する実感を強めることができます。

リリースできる状態を数式で表すとこうなります。

リリースしない意志+リリースできないという実感+リリースしたくない希望 < リリースする意志+リリースできる実感+リリースしたい希望

ちょっと長いですね。<の左側は、あなたのエゴの部分です。リリースに抵抗している部分です。ですから、ちょっと短くするとこうなります。

離さないあなたのエゴ < リリースする意志+リリースできる実感+リリースしたい希望

見やすくなりました。リリースに成功するには、決意と実感、希望を増やせばいいのです。ですから、チェックの段階では、軽くなった部分、自由になった部分を感じるわけです。そして、実感を増やすのです。

「どのくらい、軽くなったかな?」、「どのくらい、自由に感じられるようになったかな?」と注意を向けましょう。

もし、手放せていないようでしたら、強化の段階を手放せるまで繰り返します。強化の段階で意思か実感、希望を強めていきますと、やがてエゴより大きくなり、リリースできるのです。

チェックしました。それで、「うん。ちょっと軽くなったな。けど、まだ重さが気にかかるなあ。」軽さ、自由な感じに注意を向けても、重さ、苦しさ、制限に注意を奪われるなら、リリースを続けます。決意の強化を行いましょう。今、決意の強化の段階でチェックしているのであれば、強化を繰り返します。

とはいえ、やり過ぎは禁物です。あなたは、リリースしているのに、まだ続けようとしてしまうかもしれません。

目安としては、次のようなものです。

リリースするものが純粋な思考であり、感情や感覚を伴わないのであれば、リリースは「ああ、離せたかも知れない」、「この思考は、もういらないや」程度の感覚でいいんです。

ある特定の出来事に取り組んでいるのなら、それが思い出さなくなることがリリースではありません。リリースしても記憶は残ります。ただ、そこにあった制限や思い感じがなくなり、その出来事から、もう影響をうけることはないと、あなたが知っていればいいのです。

ある感情に取り組んでいるなら、その感情を捨て去り、もう大丈夫だとわかるでしょう。そう、影響を受けず、関わろうとしない自己感覚があればいいのです。

感情によっては、体の感覚が残ってしまうことがあります。キャンディーを欲しがって泣いている子供に、キャンディーを上げたとします。すると、もらえて嬉しいのですが、しばらくは泣いています。笑顔になるまで、タイムラグがあります。あなたは何かに怒りました。他の人にそれをぶちまけます。そうしたら、怒りの原因は単なる勘違いだと分かりました。怒りは瞬時に消え去りますか?勘違いと分かり、バツが悪くとも、短ければ数秒、長ければ数時間続くでしょう。

ですから、感情をリリースする時は、あなたができたと思っても、しばらく感覚が残ることがあることを覚えていましょう。やり過ぎると、他の感情を掘り起こし、混乱し、段々状況がひどくなったように感じ、停滞することになります。リリースすれば、多少でも「すっきりした」感覚が感じられると思います。

特定の体感覚を手放そうとしているとき、それはリリースするにつれ段々と収まっていきます。特にエネルギーが溜まっている、流れているという感じはリリースしやすいものです。十分に感じて、コントロールしようと思わなければ弱まっていきます。変化がないのなら、自分で握り締めているのです。そこにある感情や他の感覚、欲求などを見つけ出し、リリースしましょう。

体感覚でも肉体的な痛みは、過去の経験から、「このくらいの傷なら、このくらい続くな」という判断に縛られがちです。怪我に対しては、こうした判断や思考を出来るだけ、クリアにし、痛み自体もリリースしましょう。「私は痛みをコントロールしない。痛みから影響を受けない。体の傷は、自分の体の回復力に任せる。」という 感覚を持てたら、リリースできています。痛みは完全に無くならないでしょうが、感じ方は弱く、柔らかくなっているはずです。リリースしても、傷口に塩をすり込めば、ひどく痛むでしょう。肉体的な痛みを感じる仕組みは、保護機能ですから、変わりませんが、リリースすれば、必要以上に痛がることは無くなるでしょう。「ああ、体が痛いと思っている」くらいで、済みます。

ほとんどの場合、リリースしようとするものは、こうした要素が色々絡まっています。それぞれ、リリースした時の感覚は、個人によっても異なることを忘れないで下さい。リリースの目安は、自分の感覚です。主観なのです。

判断は簡単です。目安が正しければ、リリースを繰り返すことで、段々と軽く、幸福に感じられるようになっていくでしょう。間違っていれば、その逆が起きます。

 

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