リリース方法の種類


浦理:礼星さん。

礼星先輩:おう。

浦理:ネットで検索したら、セドナプラスという、なんだか良さそうだけど、読みづらいサイト見つけたんですけど。

礼星先輩:ああ、知っているよ。リリースの情報を流しているサイトね。確かに読みづらい。英語読めるなら、自分で情報収集できるんで、無理に読まなくても良いけどね。なかなか情報が見つからないから、読みづらくても、読んでたほうが良いかもね。個人的な見解が書かれているブログは多いけど、本の著者とか、その先生のレスターさんの情報を流しているところは少ないからね。

浦理:そこで、リリース方法が色々書いてあるのを見つけたんですけど。

礼星先輩:ああ、その話か。基本が3つ、それに応用ぽいのが2つね。合計で5つ。

浦理:はい、それが知りたいんですけど。

平留:また、手放しの話ですか?混ぜてください。

礼星先輩:ああ、いいよ。これから、手放しの方法のバリエーションについて説明するところ。手放しの方法は一つだけでないんだ。

平留:全部でいくつあるんですか?

礼星先輩:さあね。あの本の中では5つ紹介されている…ああ、原書の話ね。日本語版では翻訳されていないよ。けど、あの本だけが手放し、リリースの手法の全部では無い。検索すれば他にも色々見つかる。本も多くの人が色々書いている。まあ、一つ言えることは、それらを全部覚えたり、調べる暇があったら、とりあえずどれか一つで良いから、まずやってみることだね。たくさん知っているより、たくさんやっている人のほうが、利益を得ているのは事実だと思うよ。

浦理:私の理解したのは、日本語版には一つの方法しか書かれていないということですが、そうなんですか?

礼星先輩:うーん。原書にも5つ全部が詳しく書かれているわけでもないんだ。今まで、説明してきたのは、基本の方法。これは5つのうち2つを含んでいる。具体的に話すと、「受け入れる」と「決意する」ことね。

浦理:では、2つですか?

礼星先輩:いいや。日本語版でも抵抗の手放しの部分で、両方からリリーすることに触れられているだろう。これが「ホリスティック・リリース」。全般的な解放という意味だけど、全般的といっても対照的な両極端を交互にリリースしていく方法。残りの2つは、「飛び込む」方法と、5th way、第五の方法だよ。

平留:第五の方法は何ですか?

礼星先輩:ああ、第五の方法は名前だ。そういう名前がついているんだ。まあ、順番に説明していくよ。

浦理:はい、お願いします。

礼星先輩:最初は歓迎する方法だ。日本語版では、歓迎することで、感情が消えることもあると簡単に書かれている。英語版でも、チョット詳しい程度。けど、この本を書いた人は最近、この方法をプッシュしているようだよ。

浦理:ネットで情報検索すると、感情は完全に感じきれば消せるという話が、あちこちで書かれていますね。

礼星先輩:端的に言えばそういうこと。実際は、向かい入れるだけで消せる。その向かい入れる手順を整理して3段階にまとめたのにトリプル・ウェルカムという名前が付けられた。

平留:3段階なので、トリプルというわけですか。

礼星先輩:その通り。最初は、基本のステップと同じだね。解放したいものに心を向け、そこで出てくる感覚・感情・思考・映像・音など、何でも出てきたものを受け入れる。それらを消したり、どうにかしようとしたり、コントロールしようとしない。ただただ、そのまま、受け入れる。確信、ラベル、自分の物語、判断、結論、エネルギー。何でもそのまま、受け入れる。

平留:自分の物語とは?

礼星先輩:自分自身について語る過去の物語だよ。経験あるでしょ。何か嫌なことがあると、誰かがこう言って、あれがこうなって、それがどうしたから、こんなに自分は惨めだとか。人は何か思わしくないことが起きた理由とか、自分で納得させるために、色々な過去の出来事を思い出して、ストーリー仕立で納得しようとするだろう。そういったことさ。まあ、実際は悪いことだけに、これをやっているわけで無く、良いことにもやっているんだけど。良いことも固執になるから、手放した方が良いんだよ。

平留:へえ。

礼星先輩:実は過去だけで無く、未来のこと、未来に怒るかもしれない恐れなんかもストーリー仕立てで考えていることもあるよね。ここまで、理解できた?なら、次のステップね。2つめのステップだ。ここでは欲求を手放す。そのことについての欲求を手放す。欲求はそれだけで別に扱われるほど、強いエネルギーを持っている。欠乏感だ。基本は、承認・コントロール・安全の3つ。それにこの本の場合は分離と、一体を入れている。元々の開発者のレスターさんは、最初の3つを手放せば、分離と一体の欲求は自然と離れると考えていたらしいけど、この本では5つで扱われているね。

平留:えぇっ。コントロールしちゃだめなんですか?すると、勇気の状態になるのはいけないことですか?確か、勇気の説明文は、いかにもコントロールしている状態を表しているかのように書かれてたと思いますが。何か、矛盾している感じがします。

礼星先輩:コントロールは良いんだよ。コントロールを求めることがだめなんだ。他の欲求全部にも同じ事が言える。承認は良いんだ。承認を求めるのはだめ。安全なのも良い。安全を求めるのはだめ。一体も良い。一体を求めるのはだめ。詳しい説明はしないけど、分離はそれ自身良くないかな。欲求だけで無く、分離していること自体、良くない。チョット、哲学的な話も入って、話長くなる。

平留:あまり長くても、かえって分かりません。

礼星先輩:なので省略ね。要点は、欲求がいけない。なぜなら、あることを求めるのは、それが欠乏していると言うことを強く自覚することだから。コントロールを求めると言うことは、今コントロールが無い、不足していることを自覚する。コントロールに焦点をあてるのでなく、ネガティブに焦点を当てていることだからね。

平留:何となく分かります。

礼星先輩:この2つ目のステップでは、欲求もただ迎え入れる。そのことを変えたい、無くしたい、良くしたり、解決したい。これらはコントロールの欲求の一例だけど、そういったものも全部、そのまま迎え入れる。それと、愛着や憎悪も受け入れる。

平留:はい。

礼星先輩:続いて3つ目のステップで、自分の人格や性格、自分はどういう人間なのか、そのテーマに対して浮かび上がってきたものを受け入れる。何かがあると人は「俺はこういう風な人間だから」とか、「こういう性格だから」だとか、「こういう人間でいなくちゃ」とか思うだろ。そのテーマに関して、自分はどういう人間なのか、どういう人間になろうとしたのかを受け入れる。これがトリプル・ウェルカムね。受け入れる方法の新しいやり方だ。だから、英語版にも書かれていない。

浦理:はい。

礼星先輩:次が決意する方法。一番基本的な方法。手放すことを決意する。基本の方法の「できる?」、「したい?」、「いつ?」は全部、この決意を促す意味合いだったね。開発者のレスターさんは、決意するやり方だけで、高みの状態まで上り詰めたと言うから、基本中の基本だよ。向かい入れる方法も、手放したいものを余すところなく体験することで、それを持っているのがばかばかしくなり、自然と手放すことを決意する方法とも解釈できるね。決意がリリースの一番根本かもね。

浦理:なるほど。

礼星先輩:次が飛び込む方法。集中して、感覚や感情の一番中心部分に飛び込むんだ。

平留:飛び込むんですか?

礼星先輩:そう、内観して飛び込むんだ。中心点に近づいていくイメージでも、集中して、それを意識していく方法であっても良い。方法はどうであれ、感情の中心点に、自分の意識を集中させていく方法。もちろん、その感情は抵抗して、他のことへ気を散らさせたり、訳の分からないイメージを出してくるかもしれないが、自分を脅したり、すかしたり、コントロールして、中心へ向かって内向するんだ。その中心へ到達すると、静かで何も無い、だからすぐ分かるよ。そこに到達すると、その感覚・感情はきれいさっぱり消えるんだ。

平留:へえ-。面白いですね。

礼星先輩:この方法は特定の言い回しや、やり方があるわけで無い。とにかく、中心目指して内向する。積極的に、心のある場所を目指す、瞑想といっても良いかもしれない。

浦理:話を聞いていて、私も瞑想ぽいかなと思いました。

礼星先輩:次が、ホリスティック・リリースね。これは、難しくない。ある感覚をリリースしたいときに、真逆のものも一度に扱う方法だ。憎しみをリリースしたければ、愛を一緒に取り扱う。例えば、「憎しみを受け入れられるかな?」と自問し、続いて「愛を受け入れられるかな?」と続ける。このペアを繰り返すんだ。どちらかというと応用編だね。基本は「向かい入れる」、「決意する」、「飛び込む」で、「向かい入れる」と「決意」の2つの方法に、この反対側の概念を扱って、より深くリリースする応用編があると考えた方が良いね。

浦理:応用編ね。ふむふむ。

礼星先輩:最後が第五の方法、5th wayだ。

平留:フィフス・ウェイですね。

礼星先輩:はい、そこ。フィフスのスは下を軽くかんで、発音する。

平留:オー、ノー。ワタシ、イングリッシュはノーサンキュー。

礼星先輩:軽くいじっておいて、続けるよ。第5の方法はもっと定型的で無い。状態だからね。極論すれば。

浦理:状態?

礼星先輩:そう。哲学的でもあるから、これも話が長くなる。極端に短く言えば、本当に、今現在、この場所で自分自身でいれば、自分自身を制約している過去に囚われていない。完全に解放された状態だといえる。本当に、自分自身でいれば、自分と周りの物事は別々のもでは無く、同一のものである。全ては完全で、十分で、全知で、全能であると認識している状態。その状態にできるだけ、近い状態でいようという手法だね。

平留:すると、全能になると言うことですか?座禅くんだまま浮き上がるとか?

礼星先輩:(にやり)座禅くんだまま、浮き上がってなんになる?そんなこと、本当にやりたい人間はいる?

平留:うーん。自慢にはなると思いますけど。

礼星先輩:自慢。そう、それはエゴだね。他の人から承認を受けたがっているからだね。そんなことしたいというのは。だから、もし、他の人に自慢するために浮き上がりたいなんて思っているなら、その状態は第5の方法では、ないんだ。

浦理:面白いことしたい。受けたい。人を笑わせたい。そんなことを思わない状態だ。平留。

平留:うーむ。なるほど、

浦理:いやに、素直だな…

礼星先輩:万能の状態だから、超常現象起こしたいとか、全てを征服したいとか、そんなこと思っていたんじゃ、無理だと言うことだね。全部、自分のエゴだから。

浦理:なるほど。

礼星先輩:何かをほしがったりしているのも、この状態で無い。何かをやりたがっているのも、この状態で無い。第5の方法は解放の手段であるとしたら、直接この究極、至高状態を目指している方法で無いが、それに近い形でいると言うことだね。今、ここで、全てが十分である。それで過去に囚われず、制限の無い、全知の状態である。この状態を目指すが、結局、それは至高の状態、感情のレベルなら、平安で定義されている状態だ。

浦理:難しそうですね。

礼星先輩:そうだね。自分自身でいるので簡単と言えば簡単なんだけど、自分はこれこれだというエゴをみんな持っているからね。それを手放すのが大変だ。けど、手放そうと試みるのは大変だけど、考え方を変えて、今、ここに意識を集中して、自分自身でいることで、過去から離れているというのは、難しくない。同じ事なんだけど、考え方次第で、難しくなったり、簡単なことになったりする。…ああ、やっぱり、説明が長くなった。

浦理:概念的ですからね。

礼星先輩:概念も思考で制限だから、その表現があっていると言い切れないけど、象を見たこと無い人に象を言葉で離すようなものだから。けど、みんな多分経験はしているんだ。

平留:そんな、超常状態になったことはありません。

礼星先輩:超常現象を起こさなかっただけで、経験はしているんだよ。赤ん坊のとき、おしめが濡れているとか、おなかが減ってるとか、嫌な感覚を持っていないときは、全てが楽しく、平和で、それでOKな感じがしていたはずだよ。成長してからも、何かとてもハッピーな瞬間、その瞬間は、何かをしたいとか、なりたいとか、手に入れたいとか、しなくちゃとか、できないとか、そんなことは考えないだろう。そういうことだよ。

平留:あ、腑に落ちました。

礼星先輩:それを経験するのは難しくないんだけど、意識的に維持しようとするのは難しいね。そういうときは、「ああ、失敗した」と、後悔するんで無く、ただ、元の状態へ戻るんだ。けど、長い間の習慣に囚われているので、どうしても最初はやり損なうかもしれないよ。その習慣を駆逐するまでやり続けることだね。

浦理:これで全部ですね。

礼星先輩:ああ、そうだね。まあ、他にあることはある。1から10のスケールを使っている人、レスターさんの教え子でも、この本の著者ではない方の人は、別の解放手段を取っている。胸、おなかの感覚に注目して、つかまれているような、抵抗感とかがあれば、それにパイプを通し、そこからそのエネルギーを噴出させることで、リリースさせる方法を基本としている。その感覚を通り抜けさせることでリリースさせようとしているので、方法としては「歓迎」する方法かな。ただし、言葉を使って誘導するという感じでは無い。自分の胸とおなかのあたりをセンサーとして使い、悪い感覚をキャッチし、イメージを使って、それを追体験させ、解消していく方法だね。人によっては、言葉がメインになりがちな、その本の方法よりやりやすいようだよ。もちろん全く言葉を使わないわけでは無いけど、基本は体感覚とイメージを使って、リリースするんだ。

浦理:へー。面白そうですね。日本語の本はあるんですか?

礼星先輩:残念だけど無いよ。セドナプラスで、多少は説明されているけどね。何せ、読みづらいから。英語の書籍ならあるけど、日本のアマゾンからはなぜか買えない。アメリカのアマゾンで頼んで、国際郵便で送ってもらわなきゃならないから、高くつくよ。

浦理:残念です。

礼星先輩:まあ、がっかりすること無いよ。たいていの人はこの本に書かれている方法で、大丈夫なはず。コツさえつかめばね。

平留:上達するコツを教えてください。

礼星先輩:教えたいけど、人によって違うんだ。知りたいという気持ちは分かるけど、自分で試して見れば、教えてもらうより、ずっとよく分かると、この本の著者もいっているから、実践してコツをつかめば良いよ。結局、それが一番早い方法だね。ネットで検索して、それらしいヒントがあったとしても、自分でやってみるのが一番理解するには早いんだよ。

浦理:つまり、実践あるのみですね。

礼星先輩:ああ、経験が一番の教師だね。特に、リリースでは。